18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/25(月) 22:29:43.81 ID:MY2yL6du0
携帯の着信に気がついたのは、カラオケ店を出てからだった。
相手は病院……つまり冥土帰しからである。
シャットアウラは急いで電話をかけ、冥土帰しに出てもらうように頼んだ。
「ああ、もしもし、私だよ。なんだか随分ひどい声をしているね。カラオケにでも行ってたのかい?」
「ああ、いえ……それでなんの要件で私に?」
「そうそう、上条当麻くんだがね、日本に帰ってきているよ。本当は昼のうちに帰ってきていたんだがね。君に連絡がつかなかったんだ」
ぐあ、とシャットアウラは衝撃を受けた。
まさかカラオケをして連絡を逃すなんて。
「今日はもう遅いから会うのは明日にしなさい。それじゃあ、忙しいので切るよ」
「はい、ありがとうございました」
連絡を切り、携帯をしまうと、シャットアウラは所在無さげにアリサに話しかけた。
(すまない、せっかく会えそうだったのに、チャンスを潰してしまった)
(いいのいいの。当麻くんには明日にだって会えるし、シャットアウラちゃんが歌を気に入ってくれて嬉しいよ。それにしてもよく何時間もわたしの曲ばかり歌ってたね)
(まぁ、他に知ってる曲もなかったしな。それに……)
(それに?)
(とてもいい曲だったから)
(シャットアウラちゃん……)
(さ、今日は帰ろう。あ、その前に夜食を買わなくては)
(せっかくだから外食にしようよ―。わたし、Joseph'sのカルボナーラが食べたいな)
(お前、食事できるのか?)
(私はシャットアウラちゃんだから、シャットアウラちゃんが口にしたものの味が伝わるんだよ。まだ病院食しか食べてないじゃない。もっと美味しいものが食べたいな)
(それって、私が食べたいものを食べられないじゃないか。……ま、いいか。特に好きなものがあるわけじゃないし)
(やった! シャットアウラちゃん大好き!)
こうしてふたりは、その後ファミレスで食事を済ませた後、帰宅して眠りについた。
66Res/53.03 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。