過去ログ - シャットアウラSS
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17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/25(月) 22:29:14.78 ID:MY2yL6du0

 シャットアウラはいまいち放心状態であった。
 テーブルに置いてあるジュースを一気に飲み干して落ち着くと、なにやら外が騒がしいのに気づいた。
 シャットアウラはドアを開けて様子を覗くと、部屋の前に人集りができていた。
 その人達はシャットアウラにむかって称賛の拍手を送っていた。

 シャットアウラは恥ずかしくなって勢いよくドアを閉めた。しかし、内心まんざらでもなかった。

(これだよ)
「?」
(歌に想いを乗せて一生懸命歌うとね、それがみんなに届いて、みんなが感動してくれて、今みたいに心からの拍手と歓声を送ってくれるの。これがわたし、やめられなくって歌ってたんだよね)
「……ああ、分かる気がするよ」
(シャットアウラちゃん)
「なんだ?」
(歌って、いいものでしょ?)
「……そうだな」

 シャットアウラは再びドアを開くと、観衆に頭を下げて礼を言った。
 それからもしばらく拍手は止まなかったが、やがて次第に騒ぎは収まり、皆それぞれの部屋へと戻っていった。

「……さ、歌おうか!」

 ドアを閉めて、シャットアウラは再びマイクを取ると、残りの曲を片っ端から送信して、夢中で歌った。
 結局、二時間の予定を返上して、日が暮れるまで時間延長を繰り返していた。



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