6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/03/25(月) 16:12:21.81 ID:MY2yL6du0
鳴護アリサ。エンデュミオンの一件の際に、シャットアウラと融合した少女。
その正体は三年前のオリオン号事件の際、シャットアウラの祈りが奇跡として具現化した存在であり、あの日、すべてを思い出した二人は、再び一つとなっていた。
(やっと……やっと話せたね)
(な、なぜ、どういうことだ?)
シャットアウラは困惑した。
(ずっと話しかけてたんだよ。気づいてもらえたのは、さっきみたいだけど)
(ずっと? そうか、すまない。あれから常に何か考えてたからな気が回らなかった)
(ううん、いいの。わたしこそ、勝手にシャットアウラちゃんの体に居座っちゃってごめんね)
(な、何を言うか。お前は私なんだ。謝ることじゃない)
(ふふ、ありがとう。シャットアウラちゃんて、思ってたよりずっと優しい人だったんだね)
「な……!」
シャットアウラはいきなり褒められて恥ずかしさのあまり赤面して声を上げてしまう。
(本当は、このまま黙っていようかなと思ってたんだけど、もう一度だけ当麻くんに会いたくて……)
(当麻……上条当麻か)
(お話できないっていうのはわかってるんだけど、あれから無事なのか、一目だけでも見たくて)
(そうか……分かった。私も近々会いに行こうと思っていたんだ。どうせやることもないし、明日にでも行こう)
(……いいの?)
(何を遠慮することがあるか。お前は私なんだ)
(シャットアウラちゃん、さっきとおんなじ事言ってる)
(う、うるさい、ほら、さっさと寝るぞ)
(ふふふ、はぁい、おやすみなさい)
(ああ、おやすみ)
それから意識が閉じるまで、シャットアウラはこの現象についてずっと考えていた。
そしてこう推測した。
おそらく、元々は一人の人間とはいえ、三年近くも別々に過ごしていたんだ。その自我が、残ってしまっているのだろう、と。
だがシャットアウラは、むしろ感謝していた。本当は、とても不安だったのだ。そんなときに、誰かが一緒にいてくれることのなんと幸福なことか。
シャットアウラは穏やかな笑みを浮かべながら、眠りについた。
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