162: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/04/06(土) 10:13:33.99 ID:L6dNy5Nfo
「ほい、仮面だよ。今日は特別に貸してあげるからね〜」
「でもでも、レンタル料とかも取ってもいいんだよ?」
163: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/04/06(土) 10:14:02.57 ID:L6dNy5Nfo
「お? その仮面は亜美ちゃんかな? 真美ちゃんかな?」
「亜美だよ〜! んっふっふ〜! 本屋のおっちゃんはまだ見分けがつかないのかい?」
164: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/04/06(土) 10:15:47.45 ID:L6dNy5Nfo
「さ、着いたよー」
町を歩いてから数分。とある家の前に着いた。
165: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/04/06(土) 10:16:19.52 ID:L6dNy5Nfo
「ん? あぁ、気にしないで〜。そういう変なお家なんだよ」
「ささ、上がって上がって〜」
166: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/04/06(土) 10:16:46.99 ID:L6dNy5Nfo
そして、外から見た家の大きさとは裏腹に中に入ると半分の広さしかなかった。
しかし、ご飯を食べるだろう食卓だけは真ん中にあった。
167: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/04/06(土) 10:17:20.40 ID:L6dNy5Nfo
家の中まで全くのシンメトリーだった。
仮にこの家の屋根を切り取って上から見るとする。
すると真ん中から右と左が完全に鏡の世界のようになっているのだった。
168: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/04/06(土) 10:17:48.89 ID:L6dNy5Nfo
最初に入った時とは別の世界。
玄関の靴箱も、キッチンも、
169: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/04/06(土) 10:18:19.41 ID:L6dNy5Nfo
私はこの異常とも言える空間に素直な気持ち悪さを覚えていた。
気持ち悪い。こんな家……。
170: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/04/06(土) 10:18:54.91 ID:L6dNy5Nfo
「ご、ごめん……もしかして聞いちゃいけなかった?」
「ううん、平気だよ。大丈夫。お母さんもお父さんもちゃんと生きてる……」
171: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/04/06(土) 10:20:15.13 ID:L6dNy5Nfo
「あはは……こんなこと言ったら普通気味悪いよね。
嫌だよね……こんな子が入れたお茶とか飲めないかな。ごめん」
172: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/04/06(土) 10:21:11.97 ID:L6dNy5Nfo
亜美はため息混じりに食器を置いてから
我に返ったように言った。
「うあうあ〜〜! またセンチメートルな気分になっちゃったよ!」
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