64: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/28(木) 17:07:42.05 ID:WRQTCoCwo
斬られた箇所からは大量の血が噴き出て、
ゆっくりと、静かに崩れ落ちる。
65: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/28(木) 17:08:09.70 ID:WRQTCoCwo
嫌……やめて。しゃべらないで……。
もう、いいから。
本当は気づいてた。
私、自信がお母さんのことを恨みきれてないことを。
66: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/28(木) 17:08:49.28 ID:WRQTCoCwo
「あなたが大事だったからよ。
あなた達二人が、私は一番大事だったからなの」
67: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/28(木) 17:09:42.30 ID:WRQTCoCwo
「あなたは……歌うべきよ。いつだって、どこだって」
「歌い続けるべきなの……だから」
「千早。優を……お願いね」
68: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/28(木) 17:10:42.87 ID:WRQTCoCwo
私を売り払い。
その身のために、自身の安全のために取った行動。
本当は許したい。いつだって謝ってくれれば許してあげたい。
69: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/28(木) 17:11:10.86 ID:WRQTCoCwo
だけど……。
だけど、涙が出て止まらなかった。
嫌な思い出なんかは一切出て来なかった。
70: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/28(木) 17:11:40.07 ID:WRQTCoCwo
「いい機会だから教えてあげるよ。
君のお母さんは最後まで君を守り続けようとしていたことをね」
「まぁ、結果的には失敗した部分もあるけれどね」
71: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/28(木) 17:12:17.60 ID:WRQTCoCwo
「君のお母さんは君を売ったんではなく、
君たち二人の身を遠くにやることで守ったんだよ」
「石の発動は君等自身の血。その君等が捕まってはお終いだからね」
72: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/28(木) 17:12:57.37 ID:WRQTCoCwo
「まさかこんなに早く追手に見つかるだなんて夢にも思わなかっただろうに」
「世界の滅亡に手を貸す子供を育てるくらいならば、
どこか遠くへ売ってしまえばいいと、そう思ったのさ」
73: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/28(木) 17:13:34.60 ID:WRQTCoCwo
「だけど敗北に終わった。そこからこの村は僕達クロイ帝国のものなのさ」
「結局、君は引き取った領主が交渉したのかなんなのかはわからないが、
無事に農奴になり見苦しくも生きていたってわけだよ」
74: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/28(木) 17:14:14.23 ID:WRQTCoCwo
「もう、喋りすぎだよ」
ニコッと御手洗翔太に言う春香の目は笑ってなどいなくて
むしろ怒っていた。
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