726: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/04/30(火) 14:02:37.33 ID:abMfBsPXo
でも、もしかして……身体だけなの?
私はすぐに天ヶ瀬冬馬の身体に乗り移っている優に近寄る。
727: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/04/30(火) 14:03:41.98 ID:abMfBsPXo
「優、私……!」
「待って。聞いてお姉ちゃん」
728: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/04/30(火) 14:04:42.80 ID:abMfBsPXo
私は全然追いつけていなかった。
頭の中の整理が追いつかない。
729: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/04/30(火) 14:05:17.04 ID:abMfBsPXo
あの天ヶ瀬冬馬の口とは思えないほど弱々しい言葉だった。
「待って、優! で、でも……賢者の石を使えばあなただって元に」
730: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/04/30(火) 14:05:52.89 ID:abMfBsPXo
「僕はお姉ちゃんと引き離されたあの日。
この城にすぐに連れて来られたんだ」
「ずっと牢屋に入れられて過ごしてきた」
731: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/04/30(火) 14:06:56.58 ID:abMfBsPXo
「僕が何であるのかも。どうして生かされているのかも」
「だから僕は舌を噛んで死んだんだ」
732: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/04/30(火) 14:07:42.23 ID:abMfBsPXo
優は死んでいた。
もうとっくの昔に。
こんなのってあんまりじゃない。
733: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/04/30(火) 14:08:09.45 ID:abMfBsPXo
もしかしたら彼を……。
734: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/04/30(火) 14:09:11.40 ID:abMfBsPXo
私の真剣な眼差しをあびて
優は一度目を閉じて深く息を吸った。
735: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/04/30(火) 14:09:38.59 ID:abMfBsPXo
「お姉ちゃん。それじゃあこれでさようならだ。
僕とはもう、一生会えない」
「分かってるわ」
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