186:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/04/01(月) 01:53:29.16 ID:R+37fY28o
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そのとき、様々な場所、様々な時代で同じことが起こった。
草原の遺跡で、ふたつお下げの少女が。
サバンナの樹の下で、目の下に装飾を施した少女が。
近未来都市の片隅で、クマのぬいぐるみを抱いた少女が。
蒼海に浮かぶ諸島の砂浜で、角のついた兜をかぶった少女が。
黒煙の噴き出す荒涼とした大地で、薄紫のドレスを着た少女が。
戦火熾烈な廃墟で、涙を流す少女が。
多くの人々とともに収容され、運命を待つ少女が。
燃え盛る炎のなかで、なお気丈さを保つ少女が。
砂と石の宮殿を、王たる気品さで歩む少女が。
群衆に囲まれて火刑に処される寸前で、それでも天を見つめる少女が。
そして、さやかが。マミが。杏子が。ほむらが。
強い祈りに導かれるようにして、自らの闇と向き合い、受け入れていく。
円環の理に満ち満ちていた呪いと祟りが、ゆっくりと、しかし確実に、消え失せていく。
《………》
幼子を囲んでいた五体の魔女が、ぼろぼろと溶けるように崩れた。
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