過去ログ - 大学教授「私がアイドルのプロデューサーだと」
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109: ◆HdrJTu3Tbs[saga]
2013/05/11(土) 06:11:24.21 ID:UT94v6DA0
高木はそこで一息つき、甘いコーヒーを啜った。

「もちろん、私はこうした討論番組だけに君を出演させる訳ではない。報道番組の解説者はもちろんのこと、バラエティ番組にも手を広げたい。アイドルの人気が爆発的に伸びるのはバラエティ番組によることが多いからね。君が昨今のタレントじみた教授に嫌悪感を抱いているのは分かっている。アイドルも一度色物として見られたら、もうお終いだ。しかし、バラエティ番組に出る以上は、一種タレントのようなキャラクターがなければならない。君には申し訳ないが、ある程度のプライドは捨ててもらいたい」


110: ◆HdrJTu3Tbs[saga]
2013/05/11(土) 06:12:50.28 ID:UT94v6DA0
そう言って高木は頭を下げた。
「君をテレビに出すのは君に経験を積んで欲しいこともあるが、何より芸能界での知り合いを増やして欲しいのだよ。番組の出演者だけでなく、芸能界に携わる全ての人と関わって欲しい。いわゆるコネというやつだね。この業界ではコネが物を言う。如何に多くの人と知り合い、気に入ってもらうかだ。普通は私のように長い時間をかけて作っていくものだが、君には時間がない。そこで君自身が表舞台に出ることが一番の方法だと思ってね。また、テレビだけではなく、ラジオやインターネットを使ってみようとも思っている。
うちのプロダクションには京都に支部があるのだが、それはまあ、芸能人の卵を育てている所でね。そこからも仕事が回るようにしておこう。様々なレッスンと共に、芸能活動と大学の仕事という三足のワラジだ。負担は多かろうが、こちらもできる限りサポートしていくつもりだ。もちろん表面上では君は個人として活動することになるがね」


111: ◆HdrJTu3Tbs[saga]
2013/05/11(土) 06:14:46.09 ID:UT94v6DA0
そう言うと、高木は私の様子を伺うように見つめた。
時間がない、そうである。日高舞はたった半年でトップアイドルの座に登ったというが、それはその才能の上に高度なレッスンや、所属していたプロダクションやプロデューサーの芸能界につながる太いパイプがあったからであろう。しかし、これからアイドルのプロデューサーになる私は全てがゼロからのスタートだ。この年まで音楽やダンスには縁がなかったし、高木のようにあっという間に討論番組のレギュラー枠を取れるようなコネもない。


112: ◆HdrJTu3Tbs[saga]
2013/05/11(土) 06:15:52.23 ID:UT94v6DA0
あまりに遅すぎるのだ。ならば死に物狂いでやるしかない。たとえ大学の体面に泥を塗ることになろうとも、芸能界の荒波に乗っていかなければならない。そのためには私のつまらないプライドは捨てる必要がある。

「構わないさ。お前の思う通りにしてくれればいい。それで、私はどんなキャラクターになればいいのかね」

この言葉を聞くと高木は微笑んで、私がレギュラーを務めることになるという討論番組の詳細を渡した


113: ◆HdrJTu3Tbs[saga]
2013/05/11(土) 06:16:51.80 ID:UT94v6DA0
実際のところ、高木が社長と合わせてプロデューサーもすればいいと思うが、彼には彼なりの考えがあるのだろう。それに、せっかく教育者としての欲望を満足させてくれそうなプロデューサーという仕事をさせてくれるというのだから、断る理由もない。


114: ◆HdrJTu3Tbs[saga]
2013/05/11(土) 06:18:24.76 ID:UT94v6DA0
「うふふふふふふふ。あの漫画のまるで4巻のような展開ね。いいわぁ、少し強引な高木さんに押し込まれる先生、うふふ」

先程から不気味な声を発していた音無さんだが、彼女が口にした漫画の名前に聞き覚えがあるような気がした。あれは確か秋月さんが読んでいた漫画だったか。

「音無さん、その漫画の主人公は確か妄想癖のある少女ではありませんか」
以下略



115: ◆HdrJTu3Tbs[saga]
2013/05/11(土) 06:20:15.85 ID:UT94v6DA0
確か少女がことあるごとに学校の先輩の妄想をするものだったか。少々性描写が過ぎるところもあるように感じたが、少女漫画というものはそういうものなのだろう。

「一巻、それならまだ全然。あの作者が腐るのは三巻からだもの。いやだ、先生が本当にそういう人なのかと思っちゃったわ」

相変わらず音無さんはブツブツ呟いているので、高木が横から口を出した。


116: ◆HdrJTu3Tbs[saga]
2013/05/11(土) 06:24:12.10 ID:UT94v6DA0
「君が少女漫画を読むだなんて、どういう心境の変化かね」
全くだ。今まで少女漫画になど手を触れたことすらなかった。

「なに、今朝の新幹線で隣の女の子が読んでいたのでね。そういえば、プロデューサーたるもの少女漫画は読んだ方がいいのかね

以下略



117: ◆HdrJTu3Tbs[saga]
2013/05/11(土) 06:25:11.79 ID:UT94v6DA0
「ピヨピヨーーーっ、いやいやいやいや、ダメですよ。男の人に見せるようなものじゃありませんからっ」

何故か焦ったように言う音無さんであった。


118:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage ]
2013/05/11(土) 12:07:44.38 ID:k+hKekB8o
これは名作の予感!
全力で支援ピヨ!!


119: ◆HdrJTu3Tbs[saga]
2013/05/11(土) 13:25:39.82 ID:UT94v6DA0
渡された書類をみると、私の出演する討論番組は日曜夜の番組で、評論家や専門家、国会議員などを招いてディベート形式で政治や経済、外交問題などについて意見を述べ合うもののようだ。私が毎週ラジオで聞いている討論番組である。また、一度出演したこともあった。


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