過去ログ - 大学教授「私がアイドルのプロデューサーだと」
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67: ◆HdrJTu3Tbs[saga]
2013/04/01(月) 06:50:40.50 ID:Py/NZ84y0
また、私などは本体の社名とロゴでありがたがるものだが、彼女は一つ一つのパーツにも気を使うようで、苗字が一緒のあの大手と何か関係があるのかと思ったので聞いてみると、その大手とは違うらしいが、親御さんもコンピュータ関係の店を経営しているそうだ。


68: ◆HdrJTu3Tbs[saga]
2013/04/01(月) 06:54:47.85 ID:Py/NZ84y0
彼女との会話は実に楽しいものであった。新たな知識を得るには人と語り合うことが最高の手段である、と誰かが言っていたが、新たな知識を得ること、つまり人と語り合うことは私の最高の楽しみの一つであった。

東京に着いたのは9時過ぎであった。これから自宅に帰るという秋月さんの背中はとても小さく、一人で行かせるのもどうかと思ったが、彼女はしっかりしているし、ご両親もそれを分かって一人で帰したのだから、と考え直して彼女とは駅で別れることにした。
「ありがとうございました」と言って背を向けた彼女はやはり小さく頼りげなく見えたが、高木との約束の時間も近いので、私はタクシーを拾うべく出口へと足を向けた。


69: ◆HdrJTu3Tbs[saga]
2013/04/01(月) 06:56:04.91 ID:Py/NZ84y0
新幹線の中まで
終わり


70: ◆HdrJTu3Tbs[saga]
2013/04/01(月) 22:01:57.13 ID:Py/NZ84y0
test


71: ◆HdrJTu3Tbs[saga]
2013/04/01(月) 22:03:08.79 ID:Py/NZ84y0
プロダクションは都心のビルだった。高木は中堅プロダクションだといっていたが、どう見ても中堅ではなさそうだ。ワンフロア貸し切りという訳ではなく、この六階建てのビル全てが事務所のようで、どうやらレッスン場も一つ併設してあるらしい。
私は少し気後れしたが、思えば毎日通っている大学に比べれば、大したことはなかった


72: ◆HdrJTu3Tbs[saga]
2013/04/01(月) 22:05:37.95 ID:Py/NZ84y0
入り口を抜けて左右をみると、このプロダクションに所属している芸能人のポスターやパンフレットが置いてある。歌手、俳優、アイドル、スポーツ選手、声優、芸人など職種は多岐にわたっている。その中には私も知っている顔も幾つかあった。私はパンフレットを一つ二つ取ってフロントへ向かった。


73: ◆HdrJTu3Tbs[saga]
2013/04/01(月) 22:07:07.63 ID:Py/NZ84y0
フロントの女性に高木を呼んでもらい、ラウンジのソファに腰を下ろした。
今、10時過ぎという頃合である。芸能プロダクションというからにはもっと騒々しいものだと思っていたが、確かに人の往来は激しいものの意外にも落ち着いた雰囲気が漂っており、拍子抜けであった


74: ◆YsebDFyj36[saga]
2013/04/01(月) 22:08:06.80 ID:Py/NZ84y0
私は手に取ったパンフレットをめくってみた。どうやらミュージカルの案内のようだ。西洋人の男性と日本人女性の恋物語が主題らしく、西洋人を演じるのはなかなか年季のいった男性だった。五神武彦という名前は私も知る大物俳優のものである。日本人の方は神長瑠衣という美しい顔立ちをした女性で、元アイドルという経歴が書いてある。こちらもどこかで見たような顔だった。


75: ◆HdrJTu3Tbs[saga]
2013/04/01(月) 22:09:25.22 ID:Py/NZ84y0
「待たせたね」

少し離れたところから声が聞こえた。高木である。右手に大きな封筒を抱えて、急ぎ足でやってくる。

「いや、こちらこそすまないな、高木。10時という約束だったのに」
以下略



76: ◆HdrJTu3Tbs[saga]
2013/04/01(月) 22:10:45.35 ID:Py/NZ84y0
「前に会ってから2ヶ月だ。私たちがこんなに短い間隔で会うことは久しぶりだね、君。だが、この2ヶ月で君は非常に大きな決断をしてくれた。
大学教授の職を辞するという決意は容易くできるものではないはずだ。君がその決断をしたことは、私を信頼してくれているからこそだと考えている。私は全力を尽くしてその信頼に応えたい、君を最高のプロデューサーにすることによって。
まあ、この話は上でじっくりしよう」

そう言って高木は歩きだしたので私もパンフレットを鞄に入れて、後ろから追いかけた。


77: ◆HdrJTu3Tbs[saga]
2013/04/01(月) 22:12:32.02 ID:Py/NZ84y0
高木は慣れた足取りでエレベーターへと向かいながら

「プロデューサーといってもすぐになれるものではない。事務処理、音楽監修にダンスの監修、レッスン場の確保に指導者の獲得、企業への営業、アイドルの心身の管理、挙げればキリがないほど仕事はたくさんあるのだ。それら全てを君はマスターしなければならない。
君の役目はアイドルを育てることだ。技術的にも、人間的にもね。そのためにはこれらの仕事上のスキルは必須なのだよ。
もちろん、君にこれら全てを背負ってもらう訳ではないがね」


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