45: ◆GorJQ6qPNeO8[saga]
2013/04/27(土) 01:30:55.51 ID:w6C+9a2YO
〜〜〜
「んじゃ、着替えてくるから少し待ってて!……ほら、コロネ来たからてきとうに遊んでてよ」
そういうと、咲はさっさと家へと駆けて行った。
一人残された私は咲の消えた扉を見つめる。
「どうしよう、コロネ。少し前まではなんでも気軽に聞けたのに……最近駄目。
なんでかな?」
フィーリア王女が泉の郷へ帰った今、コロネもう喋ることの無いただの猫だ。
しかし、こちらの言葉はわかるようで話しかけるとにゃーんと返事をしながら、足に顔をこすりつけて来た。
「ふふ、ありがとう。
どうしちゃったんだろうね……私」
しゃがみ込み、コロネを撫で回す。
普段は嫌がるが、今日は特別されるがままになってくれるようだ。
「はぁ……咲とフラッピたち、何を話してたのかしら」
私はまだこの時気づいていなかった。
あまりにも恋というものを知らな過ぎたのだ。
咲に聞けなかった理由、それは咲に嫌われたくないという気持ちが強過ぎたせいだったとあとから気づいた。
咲を失うわけがないという自信は
同時に咲を失いたくないという強い気持ちも育てていたのである。
何を話していたか、それを聞いたくらいで壊れる関係でないのは自分が一番知っているにも関わらず、少しでも関係を壊す可能性のある事はしたくなかったのだ。
その理由も今ならわかる。
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