過去ログ - 【安価】比企谷「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」雪ノ下「その2ね」
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886:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g[saga]
2013/05/08(水) 23:04:25.95 ID:AJaN8E/y0

雪ノ下は静かに階段を降り終えると、あたしの目の前で立ち止まった。


雪ノ下「なにか御用かしら?」

川崎「……別に、あんたに用はないよ」

雪ノ下「……そう。なら私は職員室へ部室の鍵を返しに行かないといけないから」


雪ノ下はそう告げて、あたしに背中を向けて去って行く。


川崎「(……嘘だ、本当は雪ノ下に用はある)」


あたしは大志の件でお世話になった雪ノ下にお礼をずっと言いそびれたままなんだ。

夏休みの夏期講習のとき、雪ノ下の姿を見かけた。

でもあたしは、雪ノ下にお礼を言うどころか話し掛けることすら出来なかった。

それは雪ノ下が放つ、他人を容易に近づけさせようとしない独特の雰囲気、周りを拒絶する無言の圧力のせいで。


川崎「(……まあそうは言っても、それはただあたしにとって都合のいい言い訳だ)」


結局は、あたしが雪ノ下に近づこうという意志を持っていなかっただけの話。

その気になればあの日にすぐお礼を言うことも出来たのに、あたしはそれをしなかった。

それに加えてあたしは口下手で、あまり本音を言うのが得意じゃない。

いつも適当に湧いて出た建前で本音を隠す。

素直じゃないのは痛いほど自覚しているけど、それでも難儀なこの性格は一向に直りそうにない。





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