過去ログ - 【安価】比企谷「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」雪ノ下「その2ね」
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887:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ◆5m18GD4M5g[saga]
2013/05/08(水) 23:12:48.48 ID:AJaN8E/y0

川崎「……っ、」


雪ノ下はあたしからどんどん離れていく。

この一瞬を逃せば、もう彼女にお礼を言う機会が訪れることはないだろう。

夏期講習の時、あいつから雪ノ下へお礼を言うように頼んでも断られた。

なら、あたしが雪ノ下に感謝の気持ちを伝える為には、もうこの場で直接伝えるしかない。


――建前があたしの本音を包み込む前に、雪ノ下にお礼を言おう。



川崎「…………ま、待って雪ノ下」


静まり返った校舎内に、あたしの小さく呟いた声が反響する。

雪ノ下はそれを聞いて立ち止まったが、決して振り返ろうとはしない。

彼女が前を見据えたままなのは、彼女なりの配慮なのだろうか。

そんな考えが頭の中に浮かんだが、その考えは顔全体に帯びる高熱で瞬く間に蒸発してしまう。

上昇を続ける熱を止めるように、下げるように、あたしは首を左右に振った後、深く深呼吸をする。

そしていくらか落ち着きを取り戻すと、あたしは覚悟を決めて弱々しく言葉を紡ぐ。



川崎「…………そ、その、……色々と………………あ、ありがと……っ!」



今まで伝えることの出来なかった感謝の思いを告げたあたしは、脇目も振らず一目散に自宅へと逃げ帰った。




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