過去ログ - 上条「今日からアイテムの一員になった上条です!」
1- 20
326:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/04/23(火) 15:32:10.74 ID:8Zghcs7u0
――ロンドン中心部から100キロ離れた長距離護送馬車内

フレンダ(あっれー……今頃ウェールズに居る筈なのに、どうしてあたしはVIPと一緒に揺られているの?)

キャーリサ「結局、そーゆー話なの。華やかに始まったEUと言うパレードは、ギリシャを綻びにキプロス、スロベニア、イタリアにまでデスマーチが回ろーとしているの」

キャーリサ「友愛だの、一つの価値観だのを謳って経済的な共同圏を作ろーとした挙げ句大失敗。幸い我らがブリテンは呑まれずに済んだし」

ヴィリアン「私は……そうは思いません。いつか来る日のためにも、今日の失敗は糧となる筈です」

キャーリサ「――と、確かにEU並びにユーロとしては失敗。だが債務不履行を引き起こす国がある一方、フランスはかってない好景気だそーだ」

キャーリサ「答えは簡単。外需に頼った対外貿易依存が強い国は、自国通貨が低ければ低い程輸出で有利になれるの」

キャーリサ「だから『フランスは他のEU国を墓場へ送り、そーして下げたユーロで自国製品を安く売り抜ける』訳だ」

キャーリサ「お前の残念な頭でもわかるだろー?価値観や物価、国内産業が全く違う国家が通貨を統一すれば、必ずこーなると」

ヴィリアン「まさか、フランスは予め予測していた!?」

キャーリサ「さーな。傾国の女じゃないし、姉上でもないから真相は分からん。だが結果としてウチはEUへ参加せず、ドミノ倒しも傍観者で居られる」

キャーリサ「各政府へ高まる不満を吸収しよーと、ローマ正教が信者取り込みを謀っているのもまた事実だし」

ヴィリアン「姉君の仰りようだと、不安を煽って信者を獲得しようとしているように――」

キャーリサ「そーだと言っているだろー?少し前にあった全世界的な反学園都市運動だって、その類のものだし」

キャーリサ「お前が対話や人望で何をしよーとした所で、精々一人二人に話を聞かせるのが精一杯だし。その程度の――」

フレンダ「あの、ちょっといいですか?」

キャーリサ「何だし?学園都市側から意見が聞けるのか?」

フレンダ「あたし、あんまり頭良くないからそういうのは、ちょっと」

キャーリサ「じゃーどーしたの?まさか座りっぱなしでケ×でも痛くなったって?」

フレンダ「キャーリサ様、あたしあなたのブロマイド持ってます!」

キャーリサ「あぁ、そりゃどーも?」

フレンダ「両親からも、こう何かワガママ言う度に『お前はキャーリサ様と同じお姉ちゃんなんだから、我慢しなさい』って言われてきました」

フレンダ「歳が離れているのも同じぐらいで、だから、あたしっ!ずっとキャーリサ様みたいにしっかりしたかったんです」

キャーリサ「過去形ってのが気に入らないし」

フレンダ「政治とか経済とか、ローマ正教がーとかは分からないんですけど、姉妹って、家族って助け合うものなんじゃないかな、と」

キャーリサ「あーうん分かったの。お前は私がヴィリアンを軽んじているように見える、って事だろ?それは勘違いだ」

フレンダ「そう、ですか。なら――」

キャーリサ「軽んじてすらいない。ただのお荷物だと思ってるし」

フレンダ「……え」

キャーリサ「まぁ例え話“と”しよう。王権とは『剣』のよーなものだ。それを振り翳せば民は頭を垂れ、不届きな者は刃で処断する」

キャーリサ「時にはそれを掲げて戦場へと赴くの。だがその『剣』が二本も三本もあったらどーする?邪魔だろー?」

キャーリサ「ヴィリアンが何をしよーが、最悪カザンディッ×でパパラッチされよーが、別に私は構わないし。まー肉親としての情はあるから、したい事をさせてやりたくはある」

キャーリサ「だがコイツの『人望』はつけ込まれる。クーデターはおろか、易々と敵に捕まって人質にされかねないし」

キャーリサ「いざ戦争だって時に、コイツのア×顔タブルピース二輪差しなんて写真がバラ巻かれてみろ。士気はガッタガタだろーな」

キャーリサ「正直、どこかのゴロツキと駆け落ちでもしてくれれば、私は気が楽だったのだがなー」

フレンダ「酷いですキャーリサ様!ヴィリアン様は心から――」

ヴィリアン「いいんです、フレンダ様。姉君の仰る事は事実ですから」

キャーリサ「無力は自覚しているのさ。だからといって許されるものではないんだがな?」



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/1037.60 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice