過去ログ - 美琴「何、やってんのよ、アンタ」垣根「…………ッ!!」3
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294: ◆nPOJIMlY7U[saga]
2013/05/22(水) 00:43:06.22 ID:NWEpM7fj0
美琴の異常な身体能力だけにではない。何より美琴が格闘を仕掛けてくるとはまるで考えていなかったのだ。
全くの予想外を突かれた麦野は反応が遅れ、まともに食らってしまった。

更に追撃をはかろうと体を沈めて体勢を低くしている美琴に気付き、カウンターを合わせるべく蹴りを繰り出そうとする。
だが第三位の攻撃はまたも予想外のものだった。
何か得体の知れないものが美琴の指から伸びている。
麦野は咄嗟に体を捻り間一髪のところで回避に成功した。

確認してみれば、美琴の右手の五本の指からそれぞれオレンジ色の閃光が瞬いている。
二、三メートルもの長さの溶接や溶断に使うようなバーナー、アーク溶断ブレードが指先から伸びている。
麦野の後ろにあった何らかの機材に美琴のアーク溶断ブレードが触れた途端、それは豆腐のようにあっさりと切断された。
もし当たっていれば最低でも重傷は免れなかっただろう。

だがこの溶断ブレードは本来美琴のスタイルにそぐわないものだ。
出来る出来ないではなく、美琴の流儀にあわない。
なのにそれを使ったのは砂鉄の代わりというのが最大の理由だが、他にも。

「言ったでしょ。本気の本気だって」

「クソがっ!!」

バックステップして距離をとろうとする麦野だが、美琴はそれを許さない。
電撃を放ち、麦野がそれを曲げている間に飛び蹴りを放った。
対する麦野はそれをかわし、美琴の無防備に晒された腹に膝蹴りを叩き込もうとする。
だがその時、美琴の左手にも右手と同じ溶断ブレードが生み出され麦野の足を切断せんと迫った。
慌てて足を止めた麦野に美琴からの絶え間ない連撃が襲い来る。

前髪から飛ばす電撃で麦野を牽制し、アーク溶断ブレードで動きを止め、卓越した身体能力で打撃を加える。
それはまさに蝶のように舞い蜂のように刺す、という言葉がぴったりだった。
電撃を放ち、溶断ブレードを振るい、磁力を用い、裏拳を撃ち、掌底を放ち、蹴りを繰り出し、肘打ちや膝打ちを叩き込み、頭突きまで使い。
一切の間断なく放たれる鬼神の如き怒涛の乱舞攻撃に、麦野は捌くだけで手一杯でとても反撃までは出来なかった。

それでも麦野は原子崩しの球体を要所要所に仕掛け美琴の動きを抑えようとする。
原子崩しは防御不能の一撃だ。威力が高いという以前に、その特性上“そういう風”になっているのだ。
絹旗最愛でも削板軍覇でも原子崩しを食らえば最低でも重傷は免れない。それは原子崩しが防御の固さで勝負できる概念ではないからである。
御坂美琴はその原子崩しに干渉することで防いでいる。


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