過去ログ - 美琴「何、やってんのよ、アンタ」垣根「…………ッ!!」3
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33: ◆nPOJIMlY7U[saga]
2013/04/02(火) 23:27:33.79 ID:Y3hy9anU0
九九八二号は、いや、殺された一万人の妹達はただ死んだだけではない。
戸籍もなく、死亡届も存在せず、墓も遺骨も存在せず、カメラやセンサーなどの防犯装置からも完全に抹消されてしまっている。
存在そのものが禁忌だった彼女たちは理不尽に殺されてしまったばかりか、生きていた証を一つも残すことが出来なかった。
まるで初めから存在していなかったかのように、世界からその痕跡を消されている。

「でも、心配しないで」

美琴の声は力強く、先ほどまでとは全く違っていた。
はっきりとした意思を込めて美琴は言った。

「もしアンタが―――アンタたちが世界のどこかに証を望むなら、私がその爪痕になるから」

しばらくの沈黙があった。
その後美琴は精一杯の笑顔を浮かべて、

「さようならは置いていくよ」

さようならは必要ない。
九九八二号にその言葉は絶対に向けたくはなかった。


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