過去ログ - 美琴「何、やってんのよ、アンタ」垣根「…………ッ!!」3
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385: ◆nPOJIMlY7U[saga]
2013/06/14(金) 00:31:28.84 ID:D30LGKJg0
「垣根、」

胸にちくりとした痛み。垣根を助けると誓ったものの、やはり苦しかった。
難しい事情なんて何もなくてよかった。ただの仲のいい友達として、垣根と同じ時間を過ごしたかった。
友達に、『超電磁砲』なんて呼ばれたくはなかった。いつものように名前で呼んでほしかった。
けれどそれは叶わぬ夢で。現実は今目の前にある。
どこまでも残酷なこの世界は、御坂美琴に平穏な生活を送らせてはくれない。

「どうして、こんなことになっちゃったんだろうね」

きっと、こんな日が来ることは決まっていた。
いつから? あの話が『スクール』に入ってきた時から? 二人が出会った時から?
それとももっと後だろうか? もしかしたらその遥か前から?

出会いは、ろくなものではなかった。
けれどあの時から、青年と少女の物語は交錯した。

垣根と美琴が対峙している。
夜の闇の中で、御坂美琴が垣根帝督に呼びかける。
そう言う美琴の顔は酷く悲しそうで。
対照的に、垣根は感情というものが全て消えてしまったかのようにどこまでも無表情だった。

「必然だ」

垣根が答えた。
まるで事前に用意していたかのような即答。
それを聞いた美琴は僅かにまぶたを伏せた。

「テメェと俺は決して交わらない、対極の存在だ。
住んでいる世界が違う。科学と宗教みてえなもんだ。最後には必ず対立し、それぞれの領域に引っ込む」

垣根帝督は言った。分かっていたことだと。予定調和なのだと。
信じたくなかった。これからも今までのような日々が続いていくのだと思っていた。
世界は、どこまでも御坂美琴を苦しめる。大きな壁を乗り越えたばかりの少女を容赦なく攻め立てる。

美琴は決して言うことのなかったはずの言葉を。
言う必要もなかったはずの、言いたくもない言葉を、言った。
精一杯の勇気を振り絞って。それは答えを聞くのが怖いから。
ここまで来て、それでも少女はどこかで期待してしまっていた。
何かの間違いであったらいい、と思わずにはいられなかった。
たとえそれがどれほど愚かしく思えても。


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