過去ログ - 美琴「何、やってんのよ、アンタ」垣根「…………ッ!!」3
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413: ◆nPOJIMlY7U[saga]
2013/06/14(金) 01:36:55.63 ID:D30LGKJg0
まるで大型自動車に思い切り跳ねられたような、そんな光景。
実際、それ以上の力がもろに美琴を襲っていただろう。
垣根の白翼は高層ビルを縦に割る。それを無抵抗に食らえばどうなるか。

死んだ。今まで数え切れないほどの人間を殺してきた垣根には分かる。
どうすれば、どこまでやれば人間が壊れるかなんて嫌というほど知り尽くしている。
地面に伏す御坂美琴はピクリとも動きはしない。まるで糸の切れたマリオネットのように。
美琴はかわそうと思えばかわせた。対抗手段は持っていた。
けれど御坂美琴は目の前まで『死』が迫っても、最後まで一切の戦闘行動をとることはしなかった。


結局は、たったそれだけのお話だった。




全く動かなくなった美琴を見て、垣根は乾いた、壊れたような引き攣った笑みを浮かべた。

「は、はは、はははは……」

これでよかったはずだ。自分を揺さぶって進むべき道を阻害する邪魔者を排除した。
これで垣根帝督は垣根帝督に戻れる。本来あるべき姿へとようやく帰れる。
なのにまるで垣根の心には何かがすっぽりと抜け落ちてしまったような、底の見えない穴が開いていた。
御坂美琴を殺しても達成感もなければ後悔もない。垣根が感じていたのは喜びでも悲しみでもなくただ虚しさ。虚無だけだった。

垣根はフラフラと、逃げるようにその場を後にする。
倒れている美琴は、最後まで指先一本動かすことはなかった。


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