364: ◆XiAeHcQvXg[saga]
2013/04/15(月) 11:21:19.23 ID:PGWDh4gJ0
暦「おい、忍。 起きているか? おい!」
月明かりによって作られる僕自身の影に、話しかける。
忍「なんじゃ。 儂の事を忘れおって、極刑物じゃぞ」
365: ◆XiAeHcQvXg[saga]
2013/04/15(月) 11:21:47.31 ID:PGWDh4gJ0
忍「別にいいがの。 それと、何が起きているか。 と言う質問じゃが」
忍「分からん。 儂にもどういう事なのか分からんのじゃ」
忍にも分からない、何か。
366: ◆XiAeHcQvXg[saga]
2013/04/15(月) 11:23:12.24 ID:PGWDh4gJ0
忍「そうじゃな、その辺りは儂にも分かる。 なので、まずはそこから説明するとしようかのう」
忍「お前様は、記憶を失っていた。 又は、記憶を改変されていた。 このどちらかじゃ」
忍「昨日、儂とお前様とで話していたのは、覚えておるか?」
367: ◆XiAeHcQvXg[saga]
2013/04/15(月) 11:23:45.27 ID:PGWDh4gJ0
暦「妙な、気配?」
忍「うむ。 お前様が、何かに絡みつかれるような、そんな感じが儂にも伝わってきたんじゃ」
僕と忍の体はリンクされている。
368: ◆XiAeHcQvXg[saga]
2013/04/15(月) 11:24:13.05 ID:PGWDh4gJ0
暦「異変を感じて、声を掛けてくれたのか」
忍「その通りじゃよ。 それに、お主の眼、大分虚ろになっておったしの」
まるで、迷子娘や先程の妹御、極小の妹御の様にじゃ。 と忍は続けた。
369: ◆XiAeHcQvXg[saga]
2013/04/15(月) 11:25:03.15 ID:PGWDh4gJ0
忍「さよう。 恐らく、お前様の儂に対する記憶も、全て失われておった筈じゃよ」
暦「でも、それでも僕の前に姿を出すくらいは、できたんじゃないか?」
僕がそう言うと、忍は呆れた様な顔をし、口を開く。
370: ◆XiAeHcQvXg[saga]
2013/04/15(月) 11:25:43.04 ID:PGWDh4gJ0
そうか。 そうだ。
だから僕は、忍の事を忘れて、気付かなかったんだ。
そこに居ると、思わなくなったから。
371: ◆XiAeHcQvXg[saga]
2013/04/15(月) 11:26:11.51 ID:PGWDh4gJ0
暦「なあ、こう言うのもあれだけどさ、何で戻らなかったんだ?」
僕の問いに、忍は凄惨に笑い、答える。
忍「儂は、自力で戻って自力で死ぬ。 他の物の力なぞ借りて戻る等、却下じゃ」
372: ◆XiAeHcQvXg[saga]
2013/04/15(月) 11:27:31.91 ID:PGWDh4gJ0
忍「ふん。 それに、あの姿に戻ったら、ゴールデンチョコレートともおさらばでは無いか……それは断じて却下なのじゃ!」
結局はそれかよ。
でも、まあ。
373: ◆XiAeHcQvXg[saga]
2013/04/15(月) 11:27:59.31 ID:PGWDh4gJ0
暦「つまり、話が最初に戻るけど。 僕はあの時に記憶が入れ替わった。 もしくは失った。 そう言う事なのか」
忍「そうじゃな。 それが一番有力な解釈の仕方……賢明と言った方が正しいかのう。 とにかく、そう言う事じゃよ」
暦「そうか。 なあ、忍」
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