過去ログ - アリサ「安価って……?」上条「世界を歪める巨大な力らしいぞ」
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/04/14(日) 07:31:30.91 ID:SmNAE7b90
昌美か啓、どちらかで良い。
運動能力はどん底の2人だが、弾除けくらいにはなってくれるだろう。
ある程度人数が減るまでは様子を見、10人を切った辺りで行動に移れば、優勝する可能性も決して低くはないはずだ。
運良く昌美や啓が生き残っていたとしても、最後に殺害してしまえばいい。
よし…いける…!
計画は完璧だ!!
覚悟しろ、クラスのバカ共が!!
あたしだって本気になればアンタたちなんかに負けないんだよ!!
智江子は分厚めの唇の端を上げた。
気に食わないクラスメイトたちが自分に命乞いをする様は、想像しただけで笑いが込み上げる。
それを一刀両断にしてしまう、なんて気分がいい。
デイパックの中に入れていた小刀に手を伸ばした、その時――
がさっ
智江子は目を見開いた。
前方の茂みが揺れた、気がした。
急いで小刀を握り締め、いつでも鞘を抜ける準備をした。
「誰!?」
智江子は叫んだ。
しかし、返事はない。
「そこにいるのはわかってんだよ!!」
「…智江ちゃん…?」
「…昌美!!」
茂みからひょこっと顔を出し、怯えた目つきでこちらを見つめるのは、数少ない仲間にし得る友達だった。
盾が来た――という喜びを内面に隠しながら、智江子は再会した事が嬉しいように振舞いながら(事実嬉しいが)、小刀をスカートに挟み、昌美に駆け寄った。
「良かった、会いたかったんだ!」
「あたしも、会いたかった…よかったぁ…」
昌美が抱きついてきたので、智江子も柄に合わないと思いながらも抱き締めた。
今から盾になってもらうんだ、柄に合わない事でも喜んでやってやる。
「もう…怖くて…瀬戸口くんも早苗ちゃんも…あんな事になって…2人共…とても良い子だったのに…」
「う、うん…」
昌美も本当に良い子ちゃんだね…
誰でも彼でも良い子だ良い子だって…
おめでたいヤツだよ…
瀬戸口北斗(男子6番)の事も早苗の事も好きではなかったが、話を合わせることにした。
せめて今くらいは良い友達でいなければ――
「嘘、ついたね…?」
昌美の声が、低く唸った。
いつものか細さなどどこにもなかった。
智江子は我が耳を疑った。
そして、次の瞬間、背中に痛みが走った。
「うああぁぁぁっ!!」
智江子は激痛に悲鳴を上げ、昌美を突き飛ばし、その場に膝を付いた。
ばっと顔を上げると、尻餅を付いている昌美の手には、見覚えのある物――智江子がスカートに差していたはずの小刀が握られていた。
「昌美……何…で…っ」
昌美は立ち上がり、砂の付いたスカートを手で払った。
にっこりと微笑みを浮かべた。
いつもと変わらないはずのそれは、恐怖を感じさせた。
「嘘ついた、あたしにはわかる。智江ちゃんは瀬戸口くんも早苗ちゃんも嫌い。皆、皆嫌い、そうでしょ?いつも皆の悪口ばっかり言ってたもんね?あたしに会えて嬉しいって、それも嘘。どうせ弾除けにでもしよう、とか考えたんでしょ?」
智江子は何も言えなかった。
当然だ、全て当たっていたのだから。
どうしよう…ヤバい…ヤバいっ!!
「な、何言ってんのさ…?そんな事…ぐあっ!!」
左頬に昌美の蹴りが入った。
智江子は倒れた。
口の中に鉄の味が充満する。
そして、異物感――歯が折れた事を理解した。
昌美はやれやれ、といった感じで首を横に振った。
智江子の傍らにしゃがみ、小刀を振り上げた。
死にたくない…死にたくないっ!!
「た…助けてえぇぇぇぇっ!!」
首に激痛を感じた。
それを最後に、智江子の感覚は途切れた。
「関係無いの、そんな事は…」
昌美の呟きも、智江子には聞こえていない。
昌美は智江子の首に突き刺さった血にまみれたナイフを抜き取った。
首から噴き出した鮮血は、昌美の顔を、ブラウスを汚した。
昌美は僅かに顔をしかめ、顔を袖で拭った。
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