10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/04/07(日) 23:14:33.53 ID:gVb9Xpc80
そんな私に困ったような、でもどこか嬉しそうな顔でプロデューサーは笑いかける。
「気持ちはわかるからね」
「……気持ち?」
「俺も犬が苦手なんだ」
この年にもなって恥ずかしいよね、と頬をかくプロデューサーさん。
ぽかんと口を開ける私を見て、話を続けた。
「子供のころに噛まれてね。以来、トラウマになっちゃって」
「…………」
「だから犬が苦手な萩原さんの気持ちがわかるんだ」
萩原さんといっしょだよ、彼の優しい声音に私は顔をくしゃりと歪めてしまう。
違います。私とプロデューサーはいっしょなんかじゃありません。
プロデューサーはとっても、とっても凄いんです。
だめだめな私とは、違うんです。
プロデューサーは、この仕事をいっぱい走り回って、頭を下げて取ってきてくれて。
犬の鳴き声でいっぱいのペットショップに、怖いと思う心を抑えつけて視察に行ってくれて。
私なんかの為に、頑張ってくれて。
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