過去ログ - 終"私は貴方が嫌いだけれどね"
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4: ◆QkRJTXcpFI[saga sage]
2013/04/10(水) 00:31:18.47 ID:hv1LvJ230
第一話【「好きです」「私は貴方が嫌いだけれどね」】
 一目惚れをした男は昼休みの教室で、人目をはばかることなく堂々と告白した。
「好きです」
「私は貴方が嫌いだけれどね」
 持ち前のポジティブシンキングで近距離ストーカーと化した男は女に付き纏う。女は嫌気も差したが自分の毒舌を嫌わない男の存在を受け入れ始める。そんな折、女は不良に拉致されてしまう。
 それを知った男は女に付けていた発信機を頼りに場所を突き止め、気持ち悪い活躍をして女を無事救い出すのだった。
「友達なら……いいけれど」
「これで結婚まで一直線だね!」
こんな二人のそんななりそめ。

第二話【「文化祭だよ、女さん」】
 二人の通う高校に文化祭の季節が訪れる。男は女を誘い二人は文化祭を楽しむ。手芸部の展覧会を見て、文芸部の小説を読んで、お化け喫茶店などを廻る。
 女は過去に合唱コンクールでピアノをした経験があり、その手腕を見込んで当欠のメンバーの代わりにキーボードを演奏してくれとクラスメイトに頼まれた。
 女は渋々、人前に出ないという条件で承諾する。暗幕の裏でキーボードを弾く女の観客は男一人。薄暗いどこか退廃的な光景で、二人は一時の空間を共有した。

第三話【続"「私は貴方が嫌いだけれどね」"】
 クリスマス。男は女を誘うも断られてしまい、その時の対応から女を怒らせてしまう。ストーカーに相談することでなんとか解決に持っていくが、女は自分の毒舌を悔やみ自己催眠なる本に手を出した。
 自己催眠によって素直な可愛い女になった女だったが、男は「今の女さんを愛すことは間違ってる。だから二度と言わないけど、僕は女さんが嫌いだ」と否定してしまう。
 自分の毒舌がいかに酷いものだったかを知り逃げだした女、男は不覚にも見失う。しかし女を見つけるため、想いを伝えるために一つのイベント行事を利用して、大観衆の前で想いを叫び女を見つけ、仲を深めるのだった。

第四話【「大晦日だよ、女さん」】
 元旦に初詣に行く約束をした男と女。二人はそれぞれに大晦日を過ごす。
 男は妹と。女は姉と。
 心配で姉、妹はそれぞれ尾行することに。
 男と女はそれでもいつも通り振る舞い、常識人な二人は驚きの連続を隠せなかった。

第五話【「バレンタインは楽しみにしててね」「私が?」】
 逆バレンタインを目論む男と、すっかり初恋に酔ってしまい上手く頭の働かない女。それでも順調にバレンタインを終えると思いきや、男に恋する女生徒Bが現れる。
 Bは女を用具倉庫に閉じ込めて、男に告白するもフラれてしまう。女を助けようと扉を開くも、Bの手によって二人は閉じ込められてしまう。戸惑いながらも救助を待ち、寄り添った二人はチョコを渡し合う。
 気持ちが盛り上がった女は勢いのままに交際を求めるが「犬になりなさい」などと毒舌が混じってわけのわからないものとなってしまう。対して男は喜んで受諾し、一応、二人はめでたく主従関係を結んだのだった。
 翌日、学校の教室で二人を見たBは不安定な精神が暴走しナイフで男を刺してしまう。男は手で受け止めたが、Bは自分の過ちに悲鳴をあげて後悔した。
 転校、或いは逮捕という形でBの騒動は締めくくられたが、それは男の思い通りの結末だった。女を守るためならとBの下駄箱にナイフを仕込んだのは男である。
 君を守るためならなんだってするしなんにでもなる。純愛故の狂気を笑顔に隠して。
 それとは別に、女には久しぶりの女友達ができたのだった。




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