過去ログ - モノクマ「うぷぷ…安価でRPGをしてもらうよ!」苗木「その4!?」
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908:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/28(日) 13:45:16.12 ID:pqVm0HNu0
茂みの中に隠れていた設楽海斗(男子10番)と曽根崎凪紗(女子10番)は互いに顔を見合わせた。

偶然だった。
走ってきた2人の人物が、偶然にも凪紗たちの前で止まったので、とりあえず隠れて様子を見ていた。
その2人――周防悠哉(男子11番)と結城緋鶴(女子19番)はどうやら知り合いらしく、いけない気もしたが、隠れて話を聞いていた。

2人が元は恋人同士だった事には驚いた。
普段大人しそうな緋鶴が、悠哉のような派手な人と付き合っていたとは。
しかし、話が進むにつれて、更に驚いた。
“戦闘実験体”意味のわからない言葉が飛び、緋鶴は今までに4回もプログラムに参加してきたという。
あの緋鶴が、今までに何人も人を殺しているとは、想像もできない。

そして緋鶴が去った今、悠哉は地面に倒れたまま、何度も地面を殴っていた。
緋鶴を止められなかった事が悔しいようだった。

「…どうするんだ?」

海斗がもう一度訊いた。
凪紗は気遣わしげに海斗を見上げた。
海斗は溜息を吐き、僅かに笑んだ。

「わかってる、気になるんだろ?
 まあいい、悪いヤツではなさそうだからな」

「…ありがと、海斗。
 あの転校生怪我してるから、ほっとくわけにもいかないよ」

「そうだな」

凪紗と海斗は、再び悠哉に目を向けた。

 

「ねぇ、こんな所で寝てたら危なくない?」

悠哉の側に来た凪紗が、声を掛けた。
悠哉の頭がピクッと反応し、目線を凪紗に向けた。
847 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/07/10(水) 01:39:43.34 ID:wSnSqwBi0そこを、1人の少年が歩いていた。
本来ならここにはいないはずの存在――転校生の周防悠哉(男子11番)。
転校生と言えば聞こえは良いかもしれないが、要はこのプログラムに自ら進んで参加しに来た志願者である。

元々は兵庫県神戸市にある中学校に通っている。
クラスでは中心に立って盛り上がるムードメーカー的存在で、本来なら殺害してしまった工藤久尚(男子6番)のような人は、一緒に盛り上がる事のできる好きなタイプだ。

部活はバスケ部に所属しているが、ほとんど参加していない。
それでも試合に出られるのは、ずば抜けた運動神経の成せる業だろうか。
スポーツならオールマイティにできるので、しばしば他の部活の助っ人に行ったりもしていた。

町で不良に絡まれれば喧嘩もしていた。
しかし、警察にお世話になったり停学になったりした事はない。
見つかる前にさっさと逃げるのは得意とするところだったので。

そんな少し人よりスポーツが得意で、少し喧嘩好きなだけの普通の中学3年生が、わざわざ全国の中学3年生のほぼ全員が選ばれないように祈っているであろうプログラムに志願した事には、当然理由がある。
政府の連中には『ちょっと興味があってん』としか言っていないが、当然こんなふざけたゲームに興味本位で来たわけではない。

探している人物がいる。
ただそれだけの理由だ。

少し抜けたところのある悠哉は、一度その人物を見つけたのにも拘らず、見失ってしまった。
いや、抜けていたからという理由ではない。
仕方がなかったのだ。
結城緋鶴(女子19番)を見失ってしまった事は。

緋鶴が学校の屋上で停戦を呼びかけていた少女――真中那緒美(女子16番)を殺害した瞬間は、しっかりと目に焼きついている。
その光景はあまりにショックで、思わず屋上の少女を見に行ってしまった。
もしかしたら息があるかもしれない、それなら手当てをしないといけないと思ったので。
もちろん少女は死んでいたし、その間に緋鶴はどこかへ行ってしまった。
それ以来会っていない。


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