過去ログ - モノクマ「うぷぷ…安価でRPGをしてもらうよ!」苗木「その4!?」
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986:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/08/06(火) 21:53:02.48 ID:D/J1TKXp0
「不破は…探さないの? 凪紗の事…」

奈都希は聞いた事があった。
いつだったか、千尋が他のクラスの何某さん(名前は知らないな)に告白された時、千尋ははっきりと断った。
『悪いけど、オレ凪紗チャン大好きだから』
ここまではっきりと言ってしまうのはどうかと思う。
でも少し羨ましかった、はっきりと言えてしまう事が。

千尋は首を横に振った。

「探さない、今はやる事があるからね。
 ま、大好きな凪紗チャンに今すぐ会って抱きしめたいのは山々だけど…
 とりあえず海斗クンに任せてあるから、絶対に生きていてくれるから。
 オレはやる事終わらせてから探しに行くよ」

ふと奈都希の脳裏に千尋の言葉が蘇った。
『オレ、人の恋愛沙汰には敏感なんだよねぇ♪』、それがもし本当なら、自分の周りの友達の気持ちも悟ってしまっているのだろうか。
その、凪紗の気持ちも――

「とにかく、今日中には絶対に帰ってきてね。
 なんせ薫チャンは可愛いからねぇ、しかも男3人に女の子が――」

「不破!!」

奈都希が怒鳴ると、千尋はケタケタと笑い声を上げた。

「冗談だよ、少なくともオレは凪紗チャン以外には興味ないし?
 しっかりと守らせていただきますとも。

 ああ、あとその銃持って行っていいからね。
 だから…絶対戻ってきてあげなよ、薫チャンのためにもね♪」

奈都希は頷き、コルト・ロウマンを強く握り締めた。

 

「ナッちゃん… どこか、行くの…?」

 

突然薫の声が聞こえ、奈都希は振り返った。
不安げな薫の表情を見ていると、涙が出そうになった。
もしかしたら、これが見納めになってしまうかもしれない。

「…ちょっと、人、探してくるね。
 今日中には戻ってくるから…」

薫が『自分も連れてって』と言いたげな顔をしていた。
だけど、連れて行けない。
大事な薫を危険な目に合わせたくない。

奈都希に駆け寄ろうとした薫を、奈都希の心情を理解したのか、薫の後ろで様子を見ていた穂高が制した。

「…大丈夫、奈都希は絶対に戻ってくるって」

目に涙を溜めた薫は、しばらく「一緒に行く!」と駄々をこねていたが、やがて諦めたのか、精一杯の笑顔を奈都希に向けた。

「いってらっしゃい!」

普段家でずっと聞いていた何気ない言葉のはずが、それを聞いた途端に涙が溢れた。


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