過去ログ - 上条「二学期も不幸だ……」一方「いつも通りだろ」
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67:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/04/24(水) 02:59:43.62 ID:b5LQjM8SO







歩くこと数分、三人は特殊病棟の一階のある個室の前にたどり着いた。

ここが以前自分が運ばれた病室だと一方通行はすぐに気付いた。

そんな彼のことは知らずに、妹達はこちらを見ると、

「この部屋でお待ちを、とミサカは案内を終了します」

淡々と伝えると、妹達は何も言わずにどこかへ行ってしまった。

呼び止めようとも一瞬思ったが、例の『調整』でまだ体が辛いのかもしれないと思い、気後れした。

「何て言うか、クールなんですね、妹さん」

緊張が解れたのか、佐天が小さくなっていく妹達の背を見送りながら自分の中での御坂の妹への第一印象を口にした。

特に悪い感情を抱いたりはしていないようだ。

「……まァな」

クールというか、単にまだまだ元気よく喋ったりするだけの経験が足りないだけなのだが、一方通行は曖昧に返した。

それから、案内された部屋の扉の方を向く。

「……とりあえず入るぞ」

言うだけ言うと、彼はノブに手を伸ばし、さっさと部屋に入った。

やはり見慣れた白い部屋。

そこで、一方通行はまた懐かしい声を耳にする。

「いらっしゃい。久しぶりね、一方通行」

芳川桔梗。

木原と同じ研究所の、遺伝子学を専門とする研究者が既に部屋にいた。

彼女は、相変わらずの白衣に色落ちしたジーンズという格好で、一方通行を出迎えるように微笑んだ。

部屋に入ると、芳川は来たのが一方通行だけではないことに気付き、不思議そうな顔をした。

「……あら、そっちの女の子は?」

芳川の言う人物が自分だと分かると、佐天は一歩一方通行より前に出ると挨拶をした。

「あ、佐天涙子っていいます。えーと、一方通行さんには能力の特訓してもらってまして」

途中まで聞いてから、合点がいったように芳川は頷くと、

「あぁ、なるほど。あの風力計はそういうことだったの?」

心なしかからかうような笑顔でこちらを見る芳川に、まったく違う方向を見ることで無視する。

つれないわね、と彼女は苦笑しながらも慣れた様子でいた。

そんな二人の間に流れる親しげな雰囲気に、佐天がおずおずと疑問を口にした。





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