過去ログ - 上条「二学期も不幸だ……」一方「いつも通りだろ」
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69:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/04/24(水) 03:33:46.90 ID:b5LQjM8SO
「――うーっす!! 元気にしてたかなー、あっくせら、れーた――くーん!」

勢いよく扉が破られるように開き、一人の男の足が一方通行に当たる。

突然のことに反応できなかった彼は、そのまま備え付けのベッドへと吹っ飛んでいった。

佐天が思わぬ光景に言葉を失い、芳川は呆れたようにため息を一つ吐いた。

そして、台風のごとき勢いを生み出した男――木原数多は完全に停止すると辺りを見回す。

それから、実に不可解そうに眉を寄せる。

そうして、同僚へとある疑問を呈した。

「……お? あのガキいねーのか、芳川ァ?」

声と同時、ベッドから爆音が響き、白いシーツにくるまった白い少年が起き上がった。

彼は目を見開き、真っ赤な目を最大限に露出させると、

「き、はァら――くゥゥゥゥンッ!!」

シーツを振り払って、一気に突進した。

「はっはー! じゃれんなじゃれんな」

ドンッ! ガンッ! と物騒さを孕んだ轟音が部屋一面に伝わる。

壮絶な親子喧嘩を摩訶不思議なモノを眺めるような目をしながら、佐天はおそるおそる芳川に遠慮がちに尋ねた。

「……あのう、あの人が……?」

「ええ、一応ね」

慣れた様子で答えて、芳川は何事も起きていないように窓の外へと目をやる。

止めなくていいのかなぁ……と一般的な反応を見せかける佐天だったが、
どうやっても彼らは自分の手に負えないだろうと思い直して、諦めたように芳川と同じ行動をすることにした。

変わらぬ騒音に、冷や汗がちょっと出た。

いつもこんな感じなのだろうか、と見慣れた様子の芳川に聞こうと思って止めた。

……正直、勇気がなかった。





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