過去ログ - 小梅「白坂小梅のラジオ百物語」
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83:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/04/27(土) 01:04:25.69 ID:W0F/MLyAo
 おっと、話がそれたな。

 ともかく、普通の奴には走りにくい道を、すげえスピードで走り抜けて、技術と度胸を競う。
 そんな奴らだよ。

 そうは言っても、ストイックな野郎ばっかじゃねえけどな。
 連中も目立ちたい欲があって、わざとうるさくしたり、光らせたりなんかもすっからさ。

 ただ、中には本当にひたすら走りの腕だけを追求するバカがいるんだ。

 そこらの連中がやってる派手なだけのレースなんかには目もくれねえ。
 ただただ、自分がどれだけ早くそこを抜けられたかを突き詰めるなんてのがよ。

 アタシの知り合いにも、そういうバカがいた。

 ……うん、いたんだ。

 いまはもう死んじまった。

 そいつは、有名無名とかなんも気にせずに、自分が走りたいところにせっせと通うような奴だった。
 あの峠を抜けるのを二十秒早く出来たんだぜ、とか、当人しか喜ばねえ話を、にこにこと吹聴する野郎だったよ。

 一緒にたむろってたりはしたけど、そこまで親しいわけでもなかったからな。
 黙って聞いてたよ。

 正直、こいつなに言ってんだとは思ったけど、なにしろ本人はすげえ嬉しそうだから、いらつくこともなかったな。


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