18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/01(水) 23:24:37.16 ID:rpW5S4RD0
ルイテルはソレを確認し甲羅に近寄ると鉈で棘を一本一本薙ぎ始めた
「ちょ、何を?」
「ん?あぁこいつの棘はそのへんの精鉄よりも硬いからないろいろと使い手はあるのさ」
手を止めずにアリアンノの問いに答える、最後の一本を刈り取ったあとそれにと付け加え
刺甲亀をひっくり返すと首元から一気に鉈を振りおろした。
先ほどからもにおってはいたがむせ返るような血のにおいがさらにあたりに立ち込める
切り裂かれた胴からは内臓がどろりと出てくる。誰が見てもその手際は鮮やかだった。
返り血を浴びる前に甲羅を逆手にほうり中身と甲羅を分離する
「想定外だがいい収穫だな」
「おい、女の子の前なんだから少しは気を使えよ」
「死後硬直が始まると解体しにくいんでな」
慣れているといった表情で、ケロっとしているモンドと相対的にアリアンノは青い顔をしている。
気にしないといった風体で外套を脱ぎ、モンドに投げてよこす
「汚れると手間だからな、持っててくれ」
「あんまりエグいことすんなよ」
「すぐ済む、それに近くに川か湧き水があるな。水の気配がする」
亀の死骸から出た内臓に鉈が入る。少しして何かを見つけたかのように手を突き入れる。
手に握られていたのは拳よりやや大きめの石だった。
「それは?」
「コイツは胆石だ、刺甲亀は生まれつきこの胆石を体に蓄積する。普段はおとなしいが」
「蹴り飛ばされるとコイツが神経を刺激して凶暴化する」
モンドがすかさず解説を入れる。
「もっとも、こんなところに普通はいないんだがなぁコイツは」
「あぁ、だがいい収穫だった。この胆石はそこらの鉱物や金よりも価値があるからな」
「あとは甲羅か、どうする?」
「先に行っててくれすぐに追いつく」
「あいよ、んじゃ行くぞ嬢ちゃん」
「は、はひぃ」
刺甲亀の死骸を迂回しながらモンドとアリアンノは旅路を進む
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