31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga ]
2013/05/12(日) 19:56:07.44 ID:EdUNtmU60
「あなたの家は帝国が設立されてからの騎士の家系……というのはご存知ですよね?」
「はい」
「あなたのお父様は確かに職業は商会長です。では、先代あなたのおじい様はいかがですか?」
「祖父は、私が生まれる前に」
「やれやれ、ここまで何もご存知でないのか……」
「単刀直入に言ったほうが早いだろう」
「そうですね」
「あなたの家系は本来はわが帝国の竜騎士の家系……それも第一位のね」
「えっ?」
リュッケの口から放たれる竜騎士という単語にアリアンノは絶句する。
竜騎士とは皇帝から指名を受けた18人の特別な騎士のことを指す
その中にも序列はあり、第一位の騎士ともなれば宰相の位を与えられるような
高位の存在なのだ。とてもひとつの商会の長に納まるような存在ではない。
「でも第一竜騎士は空位のはずじゃ……」
「その通り、先代の第一竜騎士は先の戦で命を落としました。その方の名前をご存知ですか?」
「はい、確かオーレリアン・ド・カルール・ロングビルだったはずです」
「えぇ、よく学んでいらっしゃる」
「はい、大学の授業だけではなく小学校ですら教えている名前ですから」
「実はその方こそあなたのおじい様オーレリアン・ド・カルノー様です」
「おじい様の名前はたしかにオーレリアンですが……でも、そのおじい様がなくなったのは私が生まれる3ヶ月前と聞いています」
「そうですか、ですが事実です。どのような事情があって隠されていたかは知りませんが」
話を続けます、と一言断り淡々同じ口調で続ける
「先ほどおっしゃったとおり第一竜騎士は現在空位です。本来ならあなたのお父様がその座を継ぐというのが正道なのですが
あなたのお父様は入り婿ですからね、同家の正当な男児ではありません。ソレを理由に継ぐことが出来ないのですよ」
「今までも世継ぎを残さず当主が死んだ例はありました。もちろん騎士は戦が職ですからそのようなことは日常茶飯事といっても過言ではありません
だが、貴重な竜騎士の座を遊ばせて置くわけにも行かない……」
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