過去ログ - モバP「こうして僕の新婚生活は始まった」
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148:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/04/26(金) 22:53:41.23 ID:qMigc3jZ0
 これはなんだ。この記憶はなんだ。
Pさん、と彼女は言った。あの頃の、もう思い出せない世界で、何度も僕に呼びかけていてくれた時のように。



以下略



149:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/04/26(金) 22:59:59.83 ID:qMigc3jZ0


 吼える。


以下略



150:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/04/26(金) 23:07:52.83 ID:qMigc3jZ0
 これが僕への罰なのか。
僕のそばにいる女の子には何時だって笑っていて欲しいと、ただそれだけを望んでいた僕への。
もしもそうだと言うのならば……


以下略



151:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/04/26(金) 23:16:54.40 ID:qMigc3jZ0


  ああ! あたしはあんたの口に接吻したよ、ヨカナーン! あんたの口に接吻したよ。
  あんたの唇は苦い味がした。血の味だったのかしら? ……けれど、もしかしたら恋の味だったのかもしれないねぇ。
  恋は苦い味がすると言うもの……でも、それがどうしたと言うの? どうしたと言うの?
以下略



152:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/04/26(金) 23:28:24.72 ID:qMigc3jZ0


  『まゆを置いてかないで下さいね』

 どこを、どう彷徨ったのであろうか。気が付けば事務所へと辿り着いていた。
以下略



153:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/04/26(金) 23:38:15.60 ID:qMigc3jZ0
  「フ、フン! 誰からももらえないと思ったのでアナタにチョコを持ってきましたよ!
   一生感謝してくださいね! 一生ですよ!」

 そうか、昨日はバレンタインデイだった。
元アイドルの傍らには、山の様なチョコレートケーキがそびえ立っている。
以下略



154:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/04/26(金) 23:52:11.51 ID:qMigc3jZ0
  「それにしても運が良かったですね。丁度、持って来たばかりで会えるだなんて」

 彼女の紫に染まった唇と、霜の降りたチョコレートケーキを見れば全てが分かる。
少なくとも一晩はここにいたはずだ。
思考は一瞬、彼女が僕を突き飛ばす。かつては憐憫の情を込めて僕を見ていた視線がこの身を射抜く。
以下略



155:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/04/27(土) 00:00:21.98 ID:wqLt2K/30
  「私服でもこんなにカワイイ僕……フフッ。
   思えばアナタが僕を見ていてくれたのは、僕がアイドルになる前だけでしたよね?」

 彼女が馬乗りになって、僕へ語りかけてくる。その瞳には狂おしい程の情念が渦巻いていた。

以下略



156:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/04/27(土) 00:06:40.82 ID:wqLt2K/30
  「僕、アイドル業の合間を縫って事務の勉強もしていたんです。
   遠慮なんてする事ありませんよ。今までずっとアナタには寂しい思いをさせてしまいましたね」

 赤、赤、赤。口内に広がるは鉄錆の味、血の臭い。
彼女が僕に口付る。ひび割れた唇から流れ出る血が混ざりあう。
以下略



157:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/04/27(土) 00:14:52.96 ID:wqLt2K/30
  「僕の旦那様は、アナタしかいないんですよ!
   ここは僕達ふたりきりの事務所なんですから、妻が夫を手助けするのは当然の事です」

 僕の口が開く、だけど言葉が出ない。彼女の名前を呼んであげる事が出来ない。

以下略



158:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/04/27(土) 00:23:32.13 ID:wqLt2K/30
  『勝手にいなくならないで下さい』

 幸子、これが君の望みだったのか。
こんなものが……君の。

以下略



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