25: ◆auvPFY1.jw[saga sage]
2013/04/26(金) 15:04:46.10 ID:apyY2YgH0
8月20日。
あの日から、ぼくはちひろさんに声をかけるのを躊躇った。
大人げない嫉妬が、ぼくのそれを妨げていた。
そして、ぼくはまだ忙しかったから。
夏は、健康的なアイドルの魅力が出るからだ。
仕事に追われ、社長は遅くまで営業に回っていた。
残りは家で片付けよう。腰を上げたときのことだった。
『プロデューサーさん!ちょっと、いいですか』
思わぬちひろさんからの声だ。
何だろう。ミスをしてしまったのだろうか。
『あの…ええと、その』
言いにくそうに手をこすり合わせている。
ぼくは余程重大なことに気がついていないらしい。
『えっと、ぷ、プロデューサーさんさえ、よければ…なんですけど』
『その…今日、お食事…でも、どうでしょうか』
…なんだって?お食事。彼女が、ぼくを。
一瞬彼のことが頭をよぎったが、嬉しいことだ。
ぼくはすぐに笑顔になり、二つ返事でそれを了承した。
『…ああ、よかった』
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