79:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/08(水) 16:11:48.73 ID:y9M/z2Za0
がらがら、と音をたてるスライド式のドアを開けつつ、彼女に声をかける。
『加蓮、身体は…その、大丈夫か?お見舞いにきたんだ』
『仕事を急いで終わらせてきたんだけど…それでもこんな時間になって、ごめん』
「お見舞い、来てくれたんだ…」
「風邪くらいすぐ治すから待ってて。早く、一緒にお仕事したいから…!」
そう言いつつも、加蓮は咳き込む。まだ、もう少しかかるだろう。
病室の棚には、事務所のアイドルからのお見舞いが置かれている。
『ああ、そうだ、何か食べられるものがあればと思って、買ってきたんだけど』
『どれがいいか、わからなくてさ。全部買ってきちゃって…冷蔵庫借りるよ』
「こんなに食べきれないよ…もう…ふふっ、どれから食べようかな…あ、じゃあ一緒に食べる?」
『そうしようか』
消化にいいだろう、と判断していくつかのゼリーを買ってきていた。
フルーツが乗った柑橘系のものだから、味の薄い病院食よりは食欲を煽るだろう。
「うん…おいしい」
『よかった』
『………』
訪れる沈黙。けれど、そこには確かな心地よさがあった。
嬉しそうに笑ってくれている加蓮を…悲しませる話はするべきではない。
今は、何か…明るい話題を振ってあげよう、そうだ、事務所の話でも――――。
「…あの、さ。プロデューサー」
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