過去ログ - ボクサー「僕が魔王退治ですか……」
↓ 1- 覧 板 20 
1: ◆F6lbtBSr3A[saga]
2013/05/04(土) 01:00:14.49 ID:/YTcS2lAO
ボクサー「ここはどこだ?」  
    
  ボクサー(ロードワーク中、車に轢かれそうな猫を助けようとして、代わりに車に轢かれて死んだはずなんだが……)  
    
  ボクサー(見たことの無い場所。これがあの世なのかな?でもなんか死んだ感じがしない)  
    
  ボクサー「仕方ない。身体は普通に動かせるようだし歩いてみるか」  
    
  ――――  
  ――  
  ―  
    
  ボクサー「おっ、民家発見。ってことはあの世ではないのかな……」  
    
  ボクサー「迷っても仕方ない。すみません。誰かいませんかー」  
    
  
SSWiki : ss.vip2ch.com
2: ◆F6lbtBSr3A[saga]
2013/05/04(土) 01:04:00.20 ID:/YTcS2lAO
 「どなたですか?」 
  
 ボクサー「えっと……道に迷ったといいますか」 
  
 「貴方、魔力を感じないから、ただの人間のようですね」 
3: ◆F6lbtBSr3A[saga]
2013/05/04(土) 01:05:22.65 ID:/YTcS2lAO
 猫「そりゃ喋りますよ、猫ですから。それより早く入ってください。また結界張らないといけないんですから」 
  
 ボクサー「えっ……あっ、はい」 
  
 ―――― 
4: ◆F6lbtBSr3A[saga]
2013/05/04(土) 01:08:35.58 ID:/YTcS2lAO
 猫「まぁ、お茶をどうぞ」 
  
 ボクサー「そうだね!ちょっとお茶飲んで落ち着こうかな」 
  
 グビッ 
5: ◆F6lbtBSr3A[saga]
2013/05/04(土) 01:09:32.03 ID:/YTcS2lAO
 ボクサー「……少しは落ち着いたから訊くけど、ここはあの世なのかな?」 
  
 猫「あの世とは?」 
  
 ボクサー「死んだ魂とかが行く世界とか」 
6: ◆F6lbtBSr3A[saga]
2013/05/04(土) 01:12:04.91 ID:/YTcS2lAO
 猫「なるほど。だから不思議な格好をしているわけですね」 
  
 ボクサー「僕からしたら、猫が普通に喋ってるほうが不思議なんだけど」 
  
 猫「貴方の世界の猫は喋れないんですか?可哀想に」 
7: ◆F6lbtBSr3A[saga]
2013/05/04(土) 01:14:38.53 ID:/YTcS2lAO
 ボクサー「それより、ゲームの魔王とか魔女って、まぁ、かなりの確率で酷い奴だったりするんだけど。ここの魔王とか魔女は?」 
  
 猫「悪いやつですよ。人間を奴隷にしたり、魔女はこの世界に呪いをかけたり」 
  
 ボクサー「あっ、やっぱり」 
8: ◆F6lbtBSr3A[saga]
2013/05/04(土) 01:18:59.55 ID:/YTcS2lAO
 ボクサー「死んでないなら、元の世界に戻りたいんだけど……。アパートの家賃あるし、バイトにも、ジムにも行かないといけないから」 
  
 猫「私には貴方を戻す手段はありませんよ」 
  
 ボクサー「ハッキリ言うね」 
9: ◆F6lbtBSr3A[saga]
2013/05/04(土) 01:20:20.10 ID:/YTcS2lAO
 ――翌日・早朝―― 
  
 ボクサー「泊めてくれてありがとう。じゃあ行ってくるよ」 
  
 猫「待ちなさい。私も行きます」 
10: ◆F6lbtBSr3A[saga]
2013/05/04(土) 01:23:43.40 ID:/YTcS2lAO
 ボクサー「思ったより猫って軽いのな」 
  
 猫「失敬な!私は、隣のおデブ猫とは違いますよ!むしろスリムです」 
  
 ボクサー「あっごめん」 
11: ◆F6lbtBSr3A[saga]
2013/05/04(土) 01:25:10.08 ID:/YTcS2lAO
 猫「なんか今、魔物の気配がした気がするんですが」 
  
 ボクサー「えっ!?なに襲われちゃうの!?」 
  
 猫「今はしないから大丈夫ですよ。それにしても人間は走るの速いですね」 
12: ◆F6lbtBSr3A[saga]
2013/05/04(土) 01:27:40.43 ID:/YTcS2lAO
 ――神殿―― 
  
 ボクサー「というわけで到着しました」 
  
 猫「早い……」 
13: ◆F6lbtBSr3A[saga]
2013/05/04(土) 01:28:15.35 ID:/YTcS2lAO
 ――神殿・最奥―― 
  
 ボクサー「ここで終わりか。祭壇もなんかボロボロだね」 
  
 猫「信仰心が失われた建造物の成れの果てですね」 
14: ◆F6lbtBSr3A[saga]
2013/05/04(土) 01:30:38.18 ID:/YTcS2lAO
 精霊「すまんな。待たせて。いやーちょっと腹下っててな」 
  
 ボクサー「……」 
  
 精霊「どうかしたのかい?僕ちゃん」 
15: ◆F6lbtBSr3A[saga]
2013/05/04(土) 01:32:03.12 ID:/YTcS2lAO
 ―――― 
 ―― 
 ― 
  
 精霊「あー、話はわかった。元の世界に帰りたいんだ?」 
16: ◆F6lbtBSr3A[saga]
2013/05/04(土) 01:34:18.41 ID:/YTcS2lAO
 精霊「まぁ、だからさ俺の為に働いてよ」 
  
 ボクサー「……帰る手段が別にあるなら頼りたくない顔だ」 
  
 精霊「さて、なんの力がいい?腐ってもエリート精霊だったから大概のことは出来るが」 
17: ◆F6lbtBSr3A[saga]
2013/05/04(土) 01:35:35.92 ID:/YTcS2lAO
 精霊「それにさー僕ちゃんの世界とここは根本が違うから」 
  
 ボクサー「僕の世界を知ってるんですか?」 
  
 精霊「うん。精霊だからね。なんかルールばかりで生きにくい世界だよね」 
18: ◆F6lbtBSr3A[saga]
2013/05/04(土) 01:38:29.41 ID:/YTcS2lAO
 精霊「最初は甘い考えだった人間も、その半数が魔物に駆逐された頃に考えを改めたけど。時既に遅し」 
  
 精霊「今じゃ、魔物が世界の大半を占めてる世界だからさ」 
  
 ボクサー「……それでも殺しはしなくていい力が欲しいです」 
19: ◆F6lbtBSr3A[saga]
2013/05/04(土) 01:40:11.23 ID:/YTcS2lAO
 精霊「そろそろニコチン切れてイライラして来たから手短に話すわ」 
  
 ボクサー(やさぐれ街道まっしぐらじゃないか) 
  
 精霊「まず“強制力”だが、これは如何なる場合も、僕ちゃんが強制したことからは絶対に相手は抗えない」 
20: ◆F6lbtBSr3A[saga]
2013/05/04(土) 01:42:26.38 ID:/YTcS2lAO
 精霊「あーうめぇ。俺の枯れたハートに染み渡るニコチン」 
  
 猫「まだ話し中?」 
  
 ボクサー「なんか精霊のオッサンがタバコ吸ってるから待ってる」 
21: ◆F6lbtBSr3A[saga]
2013/05/04(土) 01:45:23.51 ID:/YTcS2lAO
 精霊「殴り合って勝ったら、相手の悪意が消え去る仕様にしてるから」 
  
 ボクサー「……簡単に言うけど」 
  
 精霊「殺し合いは嫌なんだろ?むしろ俺からすれば、殺し合いのが楽に思うけど」 
64Res/34.74 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 
板[3] 1-[1] l20 
	このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
	もう書き込みできません。