1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/05(日) 17:25:30.39 ID:UiVtX+FAO
ステージへと踏み出す。
照らすスポットライト。サイリウムの波。
ああ、私はここに帰ってきたんだ。そう思うと嬉しくもあり、反面怖くもある。
歌える。本当に?
また声が出なくなったら。観客達はどう思うだろう。
失望? 怒り? それとも興味すら湧かない?
怖い。期待に応えられないかもしれない自分が存在する事が。
怖い。また自分の存在意味を失うかもしれない事が。
怖い。あの人の信頼を失う事が。
気が付いたらステージの真ん中で足が震えていた。唇を噛み締め堪えようとしても止まらない。
普段強がってみせても所詮私なんかこの程度のちっぽけな存在に過ぎないんだ。過去に捕らわれ前を向く事すら出来ない、これが本当の私。
今すぐステージ裏へと駆け込めるならどれほど楽だろうか。もうそれでいいんじゃないか。どうせ私は期待に応えられない。
そう思って舞台袖に視線を送ると、あの人と目が合った。
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