1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/05/08(水) 16:00:32.66 ID:4ZRS58RAO
その少女を始めて見たのは、小学生時代だった。
肌と髪の色は白く薄く儚げで、その瞳は肌とは対象的に違和感を覚えるほどの強烈な赤を持っていた。
それを色素欠乏症アルピノと呼ぶことを、僕は同じ症状を持つ蛙の写真から知っていた。
他の子供達はただ不気味がったが、僕は彼女のその人形のような外見にとても興味を持った。
今思えば失礼な質問を数え切れないほど繰り返したような気もする。
ただ、彼女が何か言葉を返してくれることはなかった。
僕があれこれ話し掛けても、ただ彼女は笑顔を作るだけだった。
様子から察するに、言葉が伝わっていなかったのかもしれない。
僕は毎日話し掛けたけれど、3日と経たずに彼女はいなくなった。
ただいなくなる前日、彼女は僕に拙い舌回しで「ありがとう」と言った。
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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/05/08(水) 16:09:27.00 ID:4ZRS58RAO
男「……」
女「どうしたのさ、考えごとなんて似つかわしくない」
男「そりゃ人間なんだから、生きてる内は息をするし考えごとだってするよ。お前は俺を普段どんな目で見てるんだ?」
3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/05/08(水) 16:28:03.76 ID:4ZRS58RAO
女「そう言えば男さ、なんであのC組の美人さんを振ったのさ。後押ししたのは僕だから、少しばかり気まずいじゃないか」
男「そいつは悪かったな」
女「別に構わないよ。あの日の夜、泣いている彼女の表情を思い出して僕は久し振りに良い気分で眠ることができたから」
4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/05/08(水) 16:49:30.06 ID:4ZRS58RAO
女「で、なんで振ったんだい? ねぇ、ねぇったらねぇ」
男「別にどうでも良いだろ」
女「どうでも良くないから。そこ、滅茶苦茶大事だから」
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