過去ログ - フィアンマ「暗闇の世界から」アウレオルス「当然、救い出す」
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[saga]
2013/05/08(水) 21:11:35.96 ID:TsjP8uUw0
端的に言うならば、『教会のために魔道書を書くこと』。
それが、私の仕事、職業だった。
つまりは、『隠秘記録官(カンセラリウス)』。
この職業に就いた理由は、簡潔だ。
魔女の脅威から、人々を救うため。
魔術師が魔道書を読む時に、迷わないようにするため。
そして定めた魔法名は、『我が名誉は世界のために(Honos628)』。
薄い物ならば、不眠不休で。
分厚いものでも、なるべく睡眠時間を削って。
そうして必死に書いていると、休むよう言われた。
基本的には流されない性格である自信はあったものの、周囲全員から言われては仕方がなく。
行き場所に彷徨った私は、近場の教会へと足を踏み入れた。
人々でごった返している喫茶店で休むよりも、余程気が休まるというものだ。
『聖なる、聖なる、聖なるかな』
透き通った声が聞こえる。
歌っているのは、先程口にされた言葉通りの題名。
有り体に言えば、讃美歌だった。
『三つにいまして ひとつなる』
三位一体の教理を定義した、一つの神聖な歌。
『神の御名をば 朝まだき
おきいでてこそ ほめまつれ』
扉に手をかけた。
ひと思いに開ける。
そこには、少女が居た。
石をパンに変える聖女にして、人を石に変える魔女。
「……誰だ?」
彼女の、名前は―――――――――――
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