29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/05/10(金) 21:31:54.47 ID:6g5KaO/h0
「もしも、その話が事実だと仮定する。私にも、いや、この地球上の誰もが為す術はないだろう」
晶葉はトーンを変えずに続ける
「仮に何か策があったとしよう。彼らを退ける事の策が」
「しかし、それはウサミンの罪を深めるだけだ」
「どういうことだ?」
プロデューサーは菜々に一瞬視線をやったあとに晶葉に尋ねた
「地球でも同じことだよ。国境を越えるときには様々な手続きが必要だろう?それを怠れば不法入国者だ」
「ビザが切れれば、母国へ帰らなければならない。今回の件と何も変わらないさ」
菜々の話を聞く限り、彼女は正規の手続きを踏んだ上で地球にいる
その手続きに従って彼女を連れ戻しにきた使者に危害を加える
それは、警官の手から逃れるために罪を重ねることと同じことだ
日本の法律でも刑法95条以下に公務の執行を妨害する罪についての規定が為されている
彼女をこちらの感情で引き止める事は、彼女に罪を背負わせることと同義になるだろう
執行力に対しての加害とはそういうことだ
「私も何か考えてみるが、期待はしないでくれ」
晶葉はそれだけを言い残すと事務所をあとにした
結局、振り出しに戻ってしまった
いや、考えられる最後の砦も崩れてしまった
プロデューサーは頭を両手で掻き毟った
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