過去ログ - エルフ「私は死にたい」旅人「俺は生きたい」
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101:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/04(火) 00:56:46.86 ID:i0/nGqrm0
隊長の後ろへ着いて行き、建物の階段を昇って私たちは小さな屋上へ辿り着いた

ここからは 砂海が遠くまで見渡せ、砂ばかりとはいえ壮大な景色に思わず目を見張ってしまった

見上げれば空。雲がゆったりと流れ、太陽がギラギラと地上を変わらず照り付けている

砂が風に乗って舞い、何もない砂海を漂う

ここから見れる景色がもっと彩られた物ならば どんなに素晴らしかったことか


エルフ「…………」


まだ、先程の病に倒れている魔物たちの姿が脳裏から離れない

隊長が話した彼らはマトモという言葉、それは関係のない私へ彼らが抱えている問題をあえて隠したことなのだろうか

そもそも、私へ見せたところで彼らにメリットはないだろうが。私は医者でも何でもないのだから


隊長「悪くないところだろう。俺は結構気に入ってるんだぜ」

エルフ「え? ……あ、はい」

エルフ「……もしかして 私へ見せたかった所って」

隊長「お前も気に入ると思ってなァ」

隊長「ここは俺以外の奴らには誰も入れたことはない。正真正銘俺だけの場所」


彼は、私とこの景色を共有することを目的として、ここまで連れて来たのか

だけど 仮にも私は人質だろう。なぜそんなことを

…人質に何をするのも、彼らの自由というわけなのか


隊長「この意味 お前でも分かるだろう?」  エルフ「え、えっと……」


エルフ「……わかりません」

隊長「俺は お前が気に入ったっつーわけさ」


隊長「『蜷局稲妻隊』に入れてやるって話、少し本気だったんだぜ」

エルフ「お断りします。私は人質でしょう」

隊長「釣れないこと言って避けることはねェーぞ……俺はお前を解放する気なんて一切ない」

隊長「手放す気がねェわけだ。一目で気に入った」

エルフ「どうも……気持ちだけは嬉しいです――――――……でもっ」


私は外の砂海へ向けて視線を向ける

隊長もそれに気付き、私の視線を追った


……そこには ナナシ の姿があったのだ


ナナシは相も変わらず 疲れた様子一つ見せずに こちらへ向かってただ真っ直ぐ歩き続けていた

遠くからでも分かるくらい、彼のその姿は堂々としていて強さが見える



エルフ「私のお迎えが来てくれました!」

隊長「…………へェー」



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