過去ログ - エルフ「私は死にたい」旅人「俺は生きたい」
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[saga]
2013/06/04(火) 00:57:47.95 ID:i0/nGqrm0
旅人「…………」
ナナシは最初こそ凄い剣幕の魔物たちに囲まれ小突かれていたが、隊長が止めに入るとすぐに引いて行き、彼は中へ招き入れられた
今はこうして部屋の椅子にテーブルを挟んで隊長と黙って向き合っている
沈黙は長く、部屋の中の緊張は解れることなく私自身も重い空気に飲まれかけていた
魔物たちはそれぞれに武器を持ち、入口を塞ぎ、ナナシへいつでも飛びかかっていけるよう警戒している
私はというと 奥の方でポツンと立たせられていたわけだが
隊長「要件を聞こうか。こんな所まで歩いて来てわざわざ何の用だ」
旅人「さっきも同じ質問を受けて、返答したのだが」
隊長「よくもまぁ……街から来たんだろう? 馬で2時間は下らないっていうのに」
隊長「本当にその足でここまで来たのか、あんた」
旅人「そうだが。ところで早くその娘をこちらへ返してはくれないか」
エルフ「な、ナナシさん……!」
なんということだ。彼は私を見捨てずにいてくれたのだ
隊長「それにしても、よくアジトの場所を掴めたな。一体どうやって?」
旅人「目印だ。こいつを頼りに後を辿ってきた」
ナナシは袋からボタンを数個か取り出し、彼へ見せた
私が着ていた服から外して来た道に落としておいたボタンである
期待するからには その手助けぐらいはしておきたかった。でもまさか本当に助けに来てくれるだなんて
…とにかく、無駄にボタンが多いこの服には感謝だ
隊長「…………お前だったな、ガキんちょをここまで連れて来たのは」
魔物「そ、そんな……何で……いつのまに!」
隊長「よく そんな小さい目印で追って来れたもんだよ。大した奴だ。気に入ったぜ」
隊長「それで? 俺たちに何の要件があるのかな?」
旅人「同じ質問をされるのはあまり好きじゃない」
どの口がそれを言うんだ
旅人「娘を返して欲しい」
エルフ「わ、私も! ……私もその人のところへ、帰りたい…です」
隊長「……ハァー、あんたに俺が最も嫌っていることを二つ言おう」
旅人「何?」 隊長「まぁ、黙って聞いとけよ」
隊長「俺は『蜷局稲妻隊』の名を間違われるのが嫌いだ」
隊長「俺は 「NO」 と言われるのが嫌いだ……以上」
旅人「…………」
再び 長い沈黙が訪れる
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