過去ログ - エルフ「私は死にたい」旅人「俺は生きたい」
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14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/12(日) 03:34:31.97 ID:4XvL6raG0
エルフ「それじゃあ……歌をうたわせて頂いても」

旅人「…………」


私を兜越しから見るだけで それに対しての返事は返ってはこない


エルフ「わ、私!故郷にいた頃は歌をみんなから誉められました!自信あるんです!」

エルフ「お父さんもお母さんも妹も……みんな……誉めて、くれましたから……」


自分でこんな事を言っておいてなんだが、脳裏に平和に家族と暮らしていた場面が浮かんだ

彼へ何かを言おうとするも、イメージがどんどん膨らんできて、脳を圧迫する

…笑顔で満ちたイメージとは裏腹に 私は悲しみのどん底へ落ちていった


エルフ「ぁ…………」


亡き家族と故郷を思って何度も涙を流してきた。だからこの程度で泣くことはない

それに、目の前でいきなり泣かれても 彼を困らせてしまうに違いないだろう


エルフ「ごめんなさい……」

旅人「歌わないのか?」

エルフ「え?」

旅人「歌をうたいたい、お前が言い出したことだろう。どうしたんだ」

エルフ「あっ……す、すみません……ちょっとボーっとしちゃって……」


さっき彼から渡された水筒をマイク代わりに 胸の前まで持ってくる

悲しみを振り払うように 大きく息を吸い込んで、声高らかに


エルフ「では……! 私、あなたのために歌わせていただきます!」


旅人「いや 別にそういうのはいらん」  エルフ「だあぁーッ!!」


スコーンッ、と私が投げた水筒と彼の兜が衝突して気持ちのいい音を響かせた




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