過去ログ - エルフ「私は死にたい」旅人「俺は生きたい」
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54:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/18(土) 07:49:00.05 ID:1QSufv5m0
そんな事もお構いなしに、続けて巨大な鋏が砂を巻き上げてナナシに振り下ろされる

ナナシは横へ大きく跳ぶと 腰に備えた鞘から二振りの短刀を抜刀して地中から顔を出したサソリと対峙した

恐らくさっきのサソリたちのボスであり、このドームの主なのだろう

そして、背中にある例の花を見るところ アレは餌を誘き出すためのものだったらしい

…それにしても大きさが異常だ

鋏はおろか、その体から足、尾までも通常のサソリどころの話ではない

すっぽり上から被っていた砂を払い、地上に現れるとその大きさが明らかになり、同時に絶望を私へ与えてきた


『魔物化』


自然に生きている動物や虫、さらに植物がこの世界に漂っていた魔力の輝きを稀に浴びてしまうケースがある

これによって体が異常に巨大になったり、知能を持ったり、あるいは姿を変えて別の生命体として再構築されてしまうの
だ。これが『魔物化』

通常の魔物たちとは生まれ方が変わり、魔物同士が交配する必要もなく新たな魔物が誕生する厄介な話である

さらに最悪なことに、魔物化によって力を得た生物は皆 極端に凶暴な性格へ変わるのだ

つまり あの大サソリは私たちを八つ裂きにしてその肉を食らうつもりなのだろう


エルフ「…………」


骸骨頭のナナシ、そして大サソリ

驚きや恐怖が一気にやってきた。あまりの出来事に声を上手くあげられない

ナナシは恐れることなく 両手に短刀を構えて、大サソリの周りをゆっくりと歩きながら次の攻撃を警戒している

一方で 大サソリはその手である鋏をカチカチと何度も打ち鳴らし、不気味な赤い目をギラギラ鋭く輝かせていた

互いが互いの出方を様子見している。この時が何時間、何日にも感じられたのは私だけなのだろうか


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