過去ログ - エルフ「私は死にたい」旅人「俺は生きたい」
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55:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/18(土) 07:50:22.41 ID:1QSufv5m0
先に動いたのは大サソリ。腕をナナシへ向けて勢い良く伸ばし、その鋏で彼を捉えて真っ二つに切断しようとする

例えナナシの身に付けている鎧が頑丈だとしても あれにはひとたまりもないだろう

咄嗟にナナシはその場で低く体を屈ませて攻撃を下に避けた

同時に手にした短刀で鋏を打ち上げる。…が、ギンッという音を立てて彼の刃は弾かれた

短刀の刃も目に見えて痛んだことが分かる。あの程度の武器では大サソリが纏う鋼鉄のような殻を破って傷をつけるのは不可能だろう

続けざまに薙ぐように片方の腕がナナシへ向かった

短刀を交差させて攻撃を防ぐも、後方の壁へ大きく吹き飛ばされてしまった


旅人「…………」


壁へ叩きつけられて負ったダメージを気にもせず、すぐに立ち上がって 大サソリの懐、顔の前まで一気に距離を詰める

…そもそも彼に痛覚なんて物は存在するのか

短刀を一本。その赤い目へ突き立てて釘打つかのように 柄に蹴りを入れた

刃が目を潰し、先にある肉を抉る。短刀の隙間から緑色した血が勢いよく噴き出された

「ギィ、ギィ」と苦しそうに不気味な声をあげて 後退しつつ鋏を振り回す

ナナシはお構いなしに大サソリへ 短刀を構えてゆっくりと歩み寄り、残りの目を潰しにかかろうとしていた

恐ろしい光景だ。これが人と魔物の戦い。…いや、彼が本当に人なのか私にはもう分からなかった


旅人「もうしばらくそこで見ていろ。すぐに仕留める」

エルフ「えっ……?」

旅人「すぐに仕留めると言っ――――――」


言い終える前に大サソリの尾がナナシを薙ぎ払った



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