51: ◆51UnYd7yHM[saga]
2013/05/15(水) 23:23:07.20 ID:TfqNgOsAO
視界の遥か彼方に“二人”の姿を捉えた。
あと数メートルという場所まで迫ったところで、ジャイアンは石ころ帽子を外した。
52: ◆51UnYd7yHM[saga]
2013/05/15(水) 23:23:43.52 ID:TfqNgOsAO
ジャイアン「それより、フラン」
ハンナ「タケシくん!! 助けて!!」
ジャイアン「えっ?」
53: ◆51UnYd7yHM[saga]
2013/05/15(水) 23:24:21.89 ID:TfqNgOsAO
ハンナ「フランツ!! 起きて!! ねぇ、フランツ!!」
ジャイアン「・・・ハンナ・・・さん」ジワァ
54: ◆51UnYd7yHM[saga]
2013/05/15(水) 23:25:09.45 ID:TfqNgOsAO
ハンナ「早く!! 早く起きて!! 一緒に逃げるのよ!!」
ジャイアン「ハンナさん!! もう止せ!! フランツさんは」
ハンナ「起きてええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!」
55: ◆51UnYd7yHM[saga]
2013/05/15(水) 23:25:38.30 ID:TfqNgOsAO
ジャイアンは生まれて初めて知る事となる。
それこそがまさに“不気味”なのである、と。
だが、その“不気味”という感情を受け入れつつも、また一方で彼の中に沸々と沸き上がる別の感情があった。
56: ◆51UnYd7yHM[saga]
2013/05/15(水) 23:26:37.75 ID:TfqNgOsAO
巨人に対し、不気味と思う気持ちが消え去ったワケではない。
だが、にわかに沸き立ち出した怒りが、そのテリトリーを徐々に浸食し始めていた。
57: ◆51UnYd7yHM[saga]
2013/05/15(水) 23:27:46.72 ID:TfqNgOsAO
まず、パワー手袋を両手に装着する。
次いでその手にヒラリマントを構え、真っ直ぐに巨人と対峙した。
58: ◆51UnYd7yHM[saga]
2013/05/15(水) 23:32:09.05 ID:TfqNgOsAO
そして、視界の全てを遮らんばかりの重厚な掌が迫り来る。
ジャイアンの全身が巨人の手の中へとすっぽり収まった。
後はその両手が握り締められ、指の間から鮮血が滴り落ちるのを待つのみ。
59: ◆51UnYd7yHM[saga]
2013/05/15(水) 23:32:52.79 ID:TfqNgOsAO
その手に握られた赤い布は、英雄の凱旋を告げる戦旗のごとく風にはためいている。
だが、巨人の突進の勢いがそれで止まったワケではない。
両手を跳ね上げられ、エビ反りの状態のまま腹這いにジャイアンへと突っ込んで来る。
60: ◆51UnYd7yHM[saga]
2013/05/15(水) 23:33:45.03 ID:TfqNgOsAO
ヘッドスライディングの勢いそのままに宙へと投げ出された巨人はジャイアンの、更にはハンナの頭上すら飛び越え、大きく弧を描きながら落下してくる。
ジャイアンは後ろを振り返り、今まさに地上へ帰還しようとしている怪物を睨み付けた。
素早くヒラリマントを左手に巻き付けると、猛然と巨人に向かって突進を開始する。
61: ◆51UnYd7yHM[saga]
2013/05/15(水) 23:34:26.68 ID:TfqNgOsAO
巨人は頭から落下してきている。
その頭頂と地面の間の距離はもはや1メートルもない。
だがその両者が衝突を迎えるよりも先に、ジャイアンの右拳が巨人の後頭部を打った。
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