過去ログ - ボクとキミは何かがズレてる
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1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/05/16(木) 02:00:41.98 ID:lqAVt1v7o
ボクの感覚が他人とズレていると感じたのは、つい最近の事だった
赤色は依然として赤色のままだし、別に1+1が3だと思っているわけでもないのに
それでもボクは普通の人ではなかったようだ
なぜ突然こんなことを言い出したのかと言うと、入学式が終わってそうそう隣の席から掛けられた声が原因だ

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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/16(木) 02:01:08.36 ID:lqAVt1v7o
「お前、変わってんな」

開口一番ボクへそう言い放ったその人は、ボクの姿を見てケラケラと笑っていた
今まで変わっているなんて言われたことも無ければ、思ったこともなかったボクは
その言葉に面喰って茫然としてしまった
以下略



3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/16(木) 02:01:50.16 ID:lqAVt1v7o
キミの方こそ、変わってると思うけど

そうボクが返すと、彼はさらに笑い出す
その声を隠すつもりはないらしく、見ると教室の半分ぐらいの視線がこちらへ向いていた
ボクは恥ずかしくなってその人から目線を逸らすと、とりあえず他人の振りをすることにした


4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/16(木) 02:03:00.74 ID:lqAVt1v7o
「よう、お疲れさん」

次にその声が聞こえてきたのは、学校の説明がもろもろ終わった放課後
後ろから肩をポンと叩きつつ掛けられた声にボクはため息混じりに振り返った
正確には、学校の説明もろもろの間にもこの声は聞こえていたのだが
以下略



5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/16(木) 02:03:27.89 ID:lqAVt1v7o
何か用?

「別に」

そう言いながらも、彼はボクの隣を着いてくる
以下略



6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/16(木) 02:03:56.50 ID:lqAVt1v7o
ボク、こっちだから

「おう、そうか」

そう言ってまた歩き出したボクの隣に、また彼が並ぶ
以下略



7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/16(木) 02:05:43.42 ID:lqAVt1v7o
ボクの家、ここ

「ん、そうか。それじゃ、また明日な」

結局最後まで着いてきた彼にそう告げると、彼からやっと言葉が返ってきた
以下略



8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/16(木) 02:07:38.60 ID:lqAVt1v7o
「オッス、おはよう」

……おはよう

昨日のなんだったのかという感情は、今日のコレですべて解消された
以下略



9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/16(木) 02:08:31.88 ID:lqAVt1v7o
「教科書貸してくれねぇ?忘れちまった」

……はい


以下略



10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/16(木) 02:08:58.98 ID:lqAVt1v7o
「食堂行こうぜー」

うん、いいけど

二つ目、彼は基本的に弁当などを持参しない
以下略



11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/16(木) 02:09:27.12 ID:lqAVt1v7o
そして最後に

「オッス、待たせちまって悪いな」

……いいよ、ボクも今終わったところだから
以下略



12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/16(木) 02:10:02.91 ID:lqAVt1v7o
無言のまま並んで歩く街並み
聞こえるのは二つの鎖の音だけ
もう慣れてしまったそれを、ボクは少し違う気持ちで聞いていた

「ほらこれ、俺とお揃い。どうよ?」
以下略



13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/16(木) 02:11:07.45 ID:lqAVt1v7o
一年ぐらい一緒にいて分かったことは

「先輩、付き合ってくださいっ!」

「あー……んー……ゴメンな」
以下略



14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/16(木) 02:13:27.22 ID:lqAVt1v7o
可愛い子だったのに、よかったの?

「茶化すなよなー……これはこれで大変なんだぞ」

頭を掻きながら、そう言う彼の首元で、ボクが上げた手作りのチェーンアクセサリーが揺れた
以下略



15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/16(木) 02:13:53.95 ID:lqAVt1v7o
「美味いなこれ」

……うん、おいしい

いつもの帰り道、ボクが見つけた穴場のたい焼き屋に彼を連れて行く
以下略



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/16(木) 02:14:25.35 ID:lqAVt1v7o
「それじゃ、また」

うん、また

もう何回と繰り返された挨拶を、ボク達は交わす
以下略



17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/16(木) 02:15:09.52 ID:lqAVt1v7o
「お疲れ様です、先輩っ!タオル、どうぞ」

「あぁ、すまんな」


以下略



18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/16(木) 02:15:42.87 ID:lqAVt1v7o
「何してんだ?お前」

……別に

並んで歩く彼の背は、出会った時よりも大分伸びて
以下略



19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/16(木) 02:16:28.69 ID:lqAVt1v7o
ボクは焦った
自分だけがどんどん変になっていくのに、彼はどこ吹く風で
だからボクはこんなことをしてしまったのだろう

ん……あっ……く
以下略



20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/16(木) 02:16:55.49 ID:lqAVt1v7o
「……閉めっぱなしだったな、窓。どうりで蒸し暑いわけだ」

もう夏、だもんね

夕暮れを眺めながら、窓際に並ぶボクとキミ
以下略



21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/16(木) 02:17:32.42 ID:lqAVt1v7o
「馬子にも衣装ってか?」

……からかわないで、これでも恥ずかしいんだから


以下略



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