過去ログ - 【咲】京太郎「女の子たちと怖い話をする」
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13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/17(金) 21:12:49.72 ID:rRlhTLhh0

何が起きている? 京太郎の頭は混乱する。

目を閉じているわけじゃない。しっかりと瞳孔は空気の刺激を受けて、瞬きを繰り返している。

京太郎(なら、なんで、こんなにも暗い?)

何度目を瞑って、思い切り開いても、景色は変わらない。

外の様子もわからないほどの暗黒が、目の前に広がっている。

京太郎(……咲)

先ほどまで一緒にいた少女が非常に恋しくなった。

恥ずかしいと思われてもいい。いますぐ少女を抱きしめて、その温もりを感じたい。

人肌で心を安心させたい。

京太郎(咲、早く)

京太郎の心拍数が上がる。

京太郎(早く早く早く)

早くこの場を離れなければ、一生ここから抜け出せないような気がした。

ここが学校の廊下であるという認識は、彼の中ではとうに消えていた。

少女を待つ。ここから帰るためのきっかけになる少女を。

京太郎「っ!?」

ふと、身が凍りつくような気配を感じた。

いや、正確には、見た。

白いものがある。

暗黒の空間に、ただ一つ、ぽぉっと浮かんでいるものがある。

丸くて、白い。それが、窓の外で、京太郎の真正面にある。

京太郎(なんで?)

なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで。

自分が話した物語と似たようなものが、目の前にある?

京太郎は、部長が何気なく言っていたことを思い出した。


――あんまり怖い話をし過ぎると、ホンモノが寄ってくるって言うからね……。


百物語と言うものがある。

百個の実話怪談すべてを話し終えると、何かが起きるという儀式。

実話怪談と言っても、やはりいくつかは虚偽だ。……それでも中には、本当の話が混じっている。

――実話は、その原因となった実物を、呼び寄せることがある……。


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