過去ログ - 【咲】京太郎「女の子たちと怖い話をする」
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7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/17(金) 21:08:27.57 ID:rRlhTLhh0

窓から身を乗り出したサラリーマンは、狂ったように笑いながら、落ちてしまったんです。

その瞬間を見てしまったAの従兄弟は、ひっ、と冷や汗をかいて、悲鳴を上げかけました。

……その時です。もっと、身が凍りつくようなものを、見てしまったんです。

いや、正確には「感じた」と言うべきでしょうか。

サラリーマンは窓から落下する拍子に、その白く丸いものを抱きかかえたんです。

抱きかかえられた白く丸いものは、サラリーマンと一緒に落ちて行きました。

……その、ほんの一瞬のことでした。


Aの従兄弟は、その白く丸いものが――笑ったように思えたんですって。


目で見えたわけじゃありません。ただ、そう思えたらしいです。

皮膚が粟立ちました。

見てはならないものを、見てしまった。そういう気がしたそうです。

恐怖で体が硬直していると間もなく、グシャリと鈍い音が下から響いてきました。



しばらく経って、冷静さを取り戻したAの従兄弟は、救急車を呼びました。

サラリーマンの狂ったような笑い声や、落下音に気づいた人々も、その現場に集まってきました。

……しかし不思議なことに、落下したはずのサラリーマンの体が、そこになかったんです。

明らかに落下音はした。三階の高さから落ちて無事でいるはずがない。

しかし、なかったんです。血の痕すらありませんでした。

……そして、

サラリーマンと一緒に落ちた、白色の球体もなかったんですって。


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