過去ログ - 魔法少女フラン☆マギカⅢ -SS速報VIP

過去ログ - 魔法少女フラン☆マギカⅢ

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227:1[saga ]
2013/06/05(水) 22:05:08.16 ID:ySNbxrWU0

「アタシは、マミさんがそんなふうになるのをもう見てられねえよ。
本人も辛いと思う。だから戻してやりたいと思ったけど、無理そうだよな」

　よろよろと杏子は咲夜の横に立った。

　咲夜は何も言わず、杏子に視線を移す。

　その青い瞳は深く、静謐とした色を湛えていた。

　不自然なほど静まり返った住宅街。
その中で、一人の人間と一人の吸血鬼。
そして二人の魔法少女が顔を合わせていた。

　一人は両足に大怪我を負って地面に座り込み、
一人は体に穴が開いた状態でも尚立ち上がり、
一人は静かな殺気を湛えて武器を持ち、
一人は離れたところからその様子を伺っていた。

「なら、もう、こんな苦しみから解放してやるしかないよ。
その役目は、アタシがやる。
いや、やらせてくれ。
アタシの手で、マミさんを…………救ってやりたいんだ」

「………………その武器では、無理よ。止めは刺せない」

　そう言って、咲夜は手に持っていた刃渡りの長いバヨネットを差し出す。

「使いなさい。心臓と脳幹を破壊して、首を切り落としなさい。そこまでやらなければ死なないわ」

　杏子は槍を放す。
音を立てて倒れた槍に目を向けることなく、バヨネットを咲夜から受け取った。

　咲夜は一歩下がる。逆に、杏子は一歩進んだ。

　ビチャビチャと血が傷口から零れ落ちる。
ホラー映画のアンデッドみたいに、ふらふらと杏子はまた一歩踏み出し、ゆっくりとマミに近づいて行く。

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