過去ログ - 魔法少女フラン☆マギカⅢ -SS速報VIP

過去ログ - 魔法少女フラン☆マギカⅢ

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572:1[saga]
2013/07/21(日) 22:41:46.02 ID:IACn5YQp0

「アンタが何とかできるってのか？　信用ならねえよ。
マミを吸血鬼にした本人に任せられる訳……」

「だからよ！　私がマミを眷属にしたからこそ、私にしか解決できないの」

　フランは杏子の言葉を語気を強めて否定した。
杏子もそれ以上言い合いになるようなことはせず、閉口してフランに続きを促す。

「それに、今のマミはちょっと危険だわ。殴られたら死ぬ程度に力が暴走しているし」

「……ほんとかよ」

「約束するわ。それが私の役目よ」

　杏子は何も言わない。
ただ、その眉間に刻まれている皺が深くなり、きつめの釣り目は床を見下ろしていて、
口元は固く結ばれて開く気配はない。

　怒りを抑えるために全身に力を込めている。
まどかの目には、今の杏子はそんなふうに映った。
実際、肩は細かく震えていたし、拳は白くなるまで握られていた。

　それが何に対する怒りなのか分からない。
が、杏子が必死でそれを抑えているのは分かった。
だから、まどかは何も言わない。
きっと、杏子は暴力に訴えるようなことはしないだろうから。

　そもそも、まどかに何かを決める権限なんてない。
何もしてこなかったのだから、何かを決めていい訳がない。

　もし、フランの言う通りなら、最早まどかにできるのは彼女にマミのことをお願いするしかないのだから。

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