過去ログ - 魔法少女フラン☆マギカⅢ -SS速報VIP

過去ログ - 魔法少女フラン☆マギカⅢ

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592:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga ]
2013/07/31(水) 19:44:04.71 ID:NdGPFEHe0

「ほんとは、そのことを伝えようとして来たんだ。
でも、あの吸血鬼がマミのことを任してくれって言うから、アタシは、それに賭けようと思う」

　そう言って話を締めくくった杏子に、さやかは首を振る。
決して大きな動作ではないけれど、それは明確な拒絶の意思表示だった。

「それって、結局マミさんを助けることを諦めるってことじゃん。
あんた、知ってる？　
あの子ね、マミさんがみんなを傷つけた責任は、マミさんにあるって言ってたんだよ。
マミさんは被害者なのに、マミさんが悪いって言ってたんだよ。
自分が原因のくせに、そんなことを言ったの。
しかも、まどかまであの子を庇うし……」

　下火になっていたとはいえ、怒りはまだ消えていない。
それをさやかは杏子に向かって吐きだした。

「許せる？　そんな無責任なこと。
あたし許せない。
だから、あたし……あの子なんかに任せらんない。
あたしは諦めないから」

「……さやか」

　杏子はさやかに一歩踏み出した。

「誰が悪いかなんて、そんなの後で決めればいいんだよ。
今は、マミを救ってやることが一番だろ？　
でも、アタシたちにはその力がないんだ。
だから、仕方ねえから、あの吸血鬼を頼るしかないんだよ」

　悔しそうに歯噛みする杏子を見て、胸の奥から熱いものが込み上げてきた。

　それは、さっき引っ込んだばかりの怒り。
煮えたぎるようなそれは、噴出する溶岩の如くさやかの喉を突く。
理性で抑えられなくて、抑えようとする気も起きなくて、彼女は声の限り怒鳴った。

「あんたまで、そんなこと言うの！！」

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