過去ログ - 魔法少女フラン☆マギカⅢ -SS速報VIP

過去ログ - 魔法少女フラン☆マギカⅢ

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738:1[saga ]
2013/08/25(日) 23:51:48.40 ID:uCPr6CD50

　さて、ではマミの眼を覚まさせてあげようか、とフランが思ったところで、目の前の杏子がさらに何か言ってきた。

「何がしたいんだよ！？　魔女なんか復活させて、アンタ、正気か？」

　取り合うつもりのないフランは、適当に頷いて、杏子の背後の咲夜を見遣る。
咲夜は、戸惑いの表情を浮かべていたが、その眼には、フランの真意を問いただすような色は浮かんでいない。
何をやろうとしているのかは分からないが、分からないなりに、フランの意に従うという意思表明だろう。

　フランはちらりと杏子を見て咲夜とアイコンタクトを取る。
杏子を抑えておけ、という指示だ。
優秀な悪魔の犬は、それを察し、了解の意を示した。
つくづく、姉もいい拾い物をしたようだ。
顎で使うのにこれほど楽な人材はなかなかいない。

「さて」

　怒る杏子を無視し、フランは踵を返す。すると、自分と同じ真紅の瞳と目が合った。

「取り敢えず目を覚まさせてあげるわ。マミ」

　そう言って、フランは微笑みを浮かべる。
見詰められたマミは、戦いたように瞳を震わせた。
その奥にあるのは、困惑、そして恐怖。

　それを察して、フランは微かに傷つく。

　そんなつもりはないのに、マミを怖がらせてしまうのは、結構辛いものがある。
けれど、ここまでやったのだ、もうやめる訳にはいかなかった。
一番悪いのは、途中で投げ出して中途半端に終わることだ。

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