過去ログ - 長谷川千雨「鳴護アリサ、って知ってるか?」
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:
ちさめンデュ
◆nkKJ/9pPTs
[saga]
2013/07/29(月) 15:11:13.30 ID:h2L6EFVh0
>>388
土御門の目の前では、日本人形の様に可憐な少女が、
桃色の地に花をあしらった若い華やぎを匂わせる、それでいて落ち着いた和服姿で茶を点てている。
派手さは無くてもまず粗相をしてフコウダーで済む値段とは思えない和服姿の大和撫子を前にしながら、
土御門元春にしてこれは到底眼福などと言う心境ではない。ただただ喉が渇く。
絹の様に滑らかな色白の肌に淡くも整った顔立ち。
そして、烏羽そのままの艶やかな長い黒髪には可愛らしい花簪のアクセント。
ようやく女の子から少女へと踏み出したと言う辺りの、
ちんまりと小柄で折れそうに華奢な脆さの中にもふうわりとした柔らかさが感じられる。
名のある日本人形、或いは日本画から抜け出た様に端正に整った美少女が
幼少時からである事を伺わせる手並みで茶を点てたその時、
花の蕾の様に柔らかく綻び年頃の娘の温かな明るさをその微笑みに覗かせる。
デルタフォースを除隊した土御門はその高貴さに圧倒され、そして温かさに包み込まれている。
その上に、土御門の知識通りであるならばシチュエーションに圧倒されるしかない。
茶碗が回される。
右前方の上座の女性から土御門は茶碗を受け取る。
こちらは、大学生ぐらいの年頃の美人のお姉様。
薄い紺色を基調に少々あしらった、渋い中にも若さを感じさせる和服姿。
さっぱりとしたショートカットの黒髪に力強さの覗く整った顔立ちは
普段はキリッとしているのが想像できるのだが、
今は落ち着きある年上の女性としての所作の一つ一つが土御門を引き付ける、
筈であった普段であれば。
その女性の一つ上座には、もう少し年上の美女。
こちらも見事にナチュラルな黒髪ロングヘアで、
いかにも若奥様と言った風情の、品のいい薄紫の色無地。
青髪ピアスであれば無限の包容力と表現したかも知れない、
そして、その果てに同居する菩薩と鬼が土御門を圧倒する。
二人の美女の顔立ちは血の繋がりを示す様にどこかに通っているのだが、所持品も似通っている。
土御門としては、その脇に置かれている長い、
手元に切れ込みのある房紐の付いた木の棒に就いては全力で見なかった事にしておきたい所だ。
土御門が漆黒の天目茶碗を手に取り、傾ける。
碗の内側で白く縁取りされ溶け合った星々が瞬く。うん、考えたくない、全力で。
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